今回は再び『分詞構文』participial constructionについて取り上げます。
分詞構文を苦手にしている英語学習者、特に高校生や受験生が非常に多い印象です。
今回は『分詞構文て結局何なの?』という疑問に答えたいと思います。
『分詞構文』というのは『複文』complex sentenceつまり一つの文にSV(主語、述語動詞)構造が二つあり、これが対等な関係になっていない文をSV構造が一つだけの文『単文』simple sentence に置き換えたものです。
この分詞構文は複文の中の副詞節を書き換えたものであり、副詞節から接続詞と主語を取り除きこの副詞節で使われている動詞を現在分詞 Ving に置き換えた「副詞のカタマリ」のことをこう呼びます。
今回はこの分詞構文について基本的な形と注意すべきポイントについて2回に分けて取り上げます。
複文
When my mother walked into my room, I was playing a video game.
「母が私の部屋に入ってきたとき、私はテレビゲームをしていました。」
※SVが二箇所あります。
単文
Walking into my room, my mother found me playing a video game.
「私の部屋に入った時、母は私がテレビゲームをしているのを見た。」
※SV構造が下線部のみの一つになっています。
上の複文から、接続詞の When と 主語の my mother が除かれて単文においてwalked が現在分詞に置き換えられて、カンマで区切られた Walking into my room というSV構造のない副詞句に変わっています。これが『分詞構文』です。
つまり分詞構文とは「現在分詞を使って副詞節を簡単にした副詞のカタマリ」のことです。
それだけのことです。
英語においてVingの形を発見したら、それは以下の4つのいずれかを意味しています。
① Be動詞+Ving ⇒ 進行形
② 動名詞 ⇒ つまり名詞
③ 現在分詞 ⇒ つまり形容詞
④ 分詞構文 ⇒ つまり副詞
※分詞構文で使われるのはあくまで現在分詞です。「現在分詞を使って作る副詞」です。
分詞構文には過去分詞で始まるもの見られますが、あれは現在分詞 being を省略しているものです。
※分詞構文はほとんどの場合カンマで区切られています。
※分詞構文に置き換えられる接続詞は主として以下のようなものです。
because, since, as, after, before, and, if, while, when, though
分詞構文の意味は以下の6つです。
以下、接続詞を用いた複文と、分詞構文を用いた単文について例文と合わせてご覧下さい。
1.時「~したとき」when, while, as, after
After you turn right at that curve, you will see the building of the Faculty of Agriculture in front of you.
「そのカーブを右に曲がった時、正面に農学部の校舎が見えます。」
⇩
Turning right at that curve, you will see the building of the Faculty of Agriculture in front of you.
2.理由「~なので」because, since, as
She injured her finger since she tried to cut the vegetables in haste.
「急いで野菜を切ろうとしたので彼女は指にけがをした。」
⇩
Trying to cut the vegetables in haste, she injured her finger.
The foreign tourist hired a guide as he knew little about Kamakura.
「鎌倉についてほとんど知らなかったのでその外国人旅行者はガイドを雇った。」
⇩
Knowing little about Kamakura, the foreign tourist hired a guide.
3.付帯状況(同時)「~しながら~する」as, while
I fell completely asleep as I was listening to the music.
「その音楽を聴いているうちにすっかり眠ってしまいました。」
⇩
listening to the music, I fell completely asleep.
4.付帯状況(連続)「~して~する」after, before, and
After he had written the memo in a hurry, he handed it over to his secretary.
「急いでメモを書いた後、彼はそれを秘書に手渡した。」
⇩
Having written the memo in a hurry, he handed it over to his secretary.
5.条件「もし~ならば」if
※通常、主節にwillが添えられます。
If you take a left at the Aobayama Station exit, you’ll be on the campus of the Faculty of Science.
「もし青葉山駅の出口を左に進んだらそこは理学部のキャンパスですよ。」
⇩
Taking a left at the Aobayama Station exit, you’ll be on the campus of the Faculty of Science.
6.譲歩「~ではあるが」though
Though he had some discomfort in his Achilles tendon, he took part in the race.
「アキレス腱に違和感があったが彼はそのレースに出た。」
⇩
Having had some discomfort in his Achilles tendon, he took part in the race.
※意味を細かく分ければ以上のようになりますが、とりあえず「~して~する、した」と考えればわかり易いと思います。
分詞構文については以前の記事「分詞構文」 文の要素にならない副詞のカタマリです。作るのは簡単。でも取り上げています。合わせてご参照下さい。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。