未来表現の最後、「確定未来」について。
未来表現でよく使われる助動詞の will は基本的に今心に決めた「意志未来」と、たぶんこうなるだろうという予想の「単純未来」の表現に使われます。
ところが、公共交通機関の往来や発着、開始、終止といった確定したスケジュールは話し手の「意志」や「予想」によって覆ることがないと思われている未来、予定です。
助動詞の will や進行形 be~ingで表される表現には個人の意志で変更される可能性が含まれていますが、個人の意志で変更できない確定された予定、未来は変更できない訳ですから、これに助動詞の will を使う必要がありません。
will を伴った表現そのものが「不確実なこと」という意味を含んでいます。
確実なことは will を用いずに「現在形」を使います。
現在形には「いつもそうだ」だという反復、習慣の意味が含まれていますから言外に「いつも通りですよ」という含みがあるわけです。
それでは例文を見ていきましょう。
I leave for Tokyo tomorrow morning.
「明日の朝東京に向かって出発します。」
※通常、next week, tomorrow といった未来を表す語句を含む。
※これはもちろん「近接未来」の表現で進行形を使っての
I’m leaving for Tokyo tomorrow morning.
でも大丈夫。
The new semester starts on April 1st.
「新学期は4月1日から始まる。」
※話し手の意志や予想が全く影響しない確定した未来。
The last train leaves this station at 23:50.
「最終電車は23:50に当駅を発車します。」
※公共交通機関の利用客の質問に対する駅員の返答。
定められたダイヤをもとに確信をもって答えています。
時刻表通りの定時運行ですから確定未来の表現で現在形 leaves を使います。
ところが同じことを質問していてもその状況が台風など不慮の気象状況でダイヤが乱れている場合でたまたま居合わせたたとなりの乗客に尋ねてみたら以下のような表現で返されることもあるでしょう。
The last train will leave this station at 23:50.
※あくまで話し手の現在の状況を鑑みての「予想」であることを助動詞の will を用いていることで表現しています。
確実なことではないということです。
Tomorrow is my wife’s birthday.
「明日は妻の誕生日だ。」
※これは動かし難い確定した未来ですから
Tomorrow will be my wife’s birthday.
では全く変な英語になってしまいます。
We eat out at the sushi-go-round restaurant this evening.
「今夜は回転寿司屋で外食だ。」
既に皆で了承された確定している予定です。
このように将来確実に起こると思っていることには助動詞の will を使いません。現在形で表現します。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。