未来時制のひとつである「意志未来」future volitionalの話です。
主語の「意志」によって「こうする」「こうなる」という表現です。
助動詞の will が用いられますが、この will には「未来」の意味は全くありません。
助動詞の will が意味していることは基本的に2つです。
1つは自分の中で湧きあがって今、この時に決定した「意志」であり、
もう1つは、多分こうなるだろうという「予想」です。
意志未来が表現するのは前者で、「~するつもり」「~しようと思っている」話し手が今決めた「意志や意向」を表しています。
意志未来は「よし、こうしよう」と今、決めた未来、予定です。
主語の意志でその開始や実行がコントロールできる未来の事です。
しかし、この「意志未来」は前の記事で取り上げた「単純未来」と同じように主語の頭の中で考えているだけですから、本当に実行されるかどうかは当てになりません。
人間の意志、決定ですから確実に実行に移されるかどうかは保証できません。「心変わり」することもあり得ます。
よってこの「意志未来」はあくまで現時点で「こうしよう」と決めた未来であり、「単純未来」と同様に確実性の低い「話し半分」で聞くべき内容です。
既に「こうしよう」と心に決めて、それが確実に実行に向かっている話なら will は使いません。
この場合は be going to を使います。
これが will と be going to の違いです。
これを理解してしっかり使い分けましょう。
それでは例文を見てみましょう。
I’ll buy you a new car.
「新しい車を買ってあげるよ。」
※心変わりもあり得る。
I’ll study hard starting tomorrow.
「明日から一生懸命勉強します。」
※実行されない事が多い約束です。
I’ll never forgive his betrayal.
「彼の裏切りは絶対許さない。」
※今、湧きあがっている怒り、持続するとは限らない。
I understood your explanation well. I will have him do so.
「あなたの説明はよく理解した。彼にそうさせましょう。」
※こういった口約束が反故にされるのはよくあること。
We will be grateful if our company will support our social activities.
「私たちの社会的活動を会社がサポートしてくれるなら、ありがたいことだ。」
※そういう状況になることに確信が持てていない。
will が使われている未来表現は「単純未来」「意志未来」いずれも不確実性を含んでいます。確実に起こると思っている未来に will を使ってはならないのです。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。