名詞

“a“ や “an”をなめるなよ!これのあるなしで意味は全然違う!数えられる名詞「可算名詞」と数えられない名詞「不可算名詞」の違いはこれを読んでしっかり頭に叩き込め!これは英文法の「いろは」だ!

英語の名詞は大別して2種類に分けられます。

1つ、2つ、あるいは数百、数千という単位で数えることができる「可算名詞」countable noun と数えられない名詞「不可算名詞」uncountable noun です。


実際には1つの名詞でもほとんどの場合「可算名詞」と「不可算名詞」の両方の意味を持っています。

文脈中での名詞
の正確な意味を理解するには可算、不可算のどちらの意味で用いられているかを理解する必要があります。

文法上、可算名詞は「いくつあるのか?」単数なのか?複数なのか?実際にどれくらいの数なのか?の修飾をしなければなりません。

具体的には単数を意味する不定冠詞の “a” や “an” あるいは複数を表す “-s, -es” を語尾に付けるか、具体的な数を付けます。
可算名詞なのにこれが無いと英語圏の人は当惑して夜も眠れません。

逆に同じ単語でも不可算名詞として使われる場合はこういった修飾が付きません。
“a,  an” も “-s, -es” も付きません。
不可算名詞に「数」を表記することは「不自然なこと」なのです。

可算名詞、不可算名詞の区別の仕方

「普通名詞は数えられるが、抽象名詞、物質名詞、集合名詞は数えられない」このように教わった方も多いのではないでしょうか?


あるいは「その形を絵に描くことができるのが可算名詞」「絵に描けないのが不可算名詞」どちらもなるほどと思いますが、以下のように可算名詞、不可算名詞を説明するのも分かり易いと思います。


「可算名詞」とは

「可算名詞」とは1セットのカタマリ、「形」として認識しているものです。
この1セットがきちんと揃っていて「それ」と呼べるものです。

1セットで頭の中でイメージ化しているものです。

a cat, a dog は一匹の犬、猫の体が全部そろっていて、はじめて「犬、猫」と呼ばれます。
猫のひげを一本抜いてきて「これがうちで飼っている猫」とは言いません。犬の尻尾だけを見せて「犬」とは言いません。
自転車のタイヤだけを目の前にしてもそれを「自転車」とは呼びません。

「バラバラにしたらもうその名前では呼ばれない」こういったものが「可算名詞」です。ラテン語、ギリシャ語系の特殊な語尾変化をする単語を除いて必ず a, an, -s, es が付きます。

「不可算名詞」とは

「不可算名詞」には具体的な1セットのイメージがありません。

人はこれを「形」として認識しておらず、物質、性質、概念として認識してしています。「可算名詞」と違い、「不可算名詞」はそれをバラバラにしてもその名前で呼ばれます。

物質、性質として認識されている限り water は湖にあっても、バケツの中でもスプーン1杯でも水滴でも、あるいは雲の中の粒子でも water と呼ぶことができるわけです。

「不可算名詞」には単数、複数の概念がありませんから a, an, -s, -es は付きません。

この不可算名詞の「量」を表現するには  a piece of, a bottle of, two carton of などといった「形容詞句」が用いられます。
あくまでその容器に入った「中身、物質」に注目しています。

ところが、可算名詞である dog, cat でも、どんどん目を近づけて、その中身、物質、性質に注目すると a, an, -s, es がとれて、「不可算名詞化」します。

“I like dogs.” は「私は犬が好き」ですが、
“I like dog.” は「私は犬肉が好き」になってしまいます。
dog が食べ物になってしまうわけです。a があるのとないのとでは大違いです。

逆に物質として認識している water,  milk,  beer などもどんどん目を離していくとグラスやボトルに入っている1セットの「形」として認識し始めます。
よって「ビール2つちょうだい。」” Two beers please.” という表現も普通に使われています。

つまり、「可算名詞」「不可算名詞」というのは話し手、書き手がその名詞をどのように「認識」しているかを示すものなのです。

以下に同じ単語、名詞でありながら「不可算名詞」として使われる場合と「可算名詞」として使われる場合ではその意味が違ってしまう代表的な名詞を挙げてみました。いずれも試験によく出てくるものです。
ぜひご確認下さい。

※前に不可算名詞、後ろに可算名詞。


air 空気
an air 雰囲気
airs   気取った様子 

※put on airs=気取る

cloth 布
a cloth テーブルクロス、ふきん


charge 責任、担当
a charge 料金

※take charge of=担当する、世話する

copper 銅
a copper 銅貨、1セント硬化(=penny)


curiosity 好奇心
a curiosity 骨董品

※curiosity shop=骨董品店 from curiosity=好奇心から

discipline  訓練、しつけ
a discipline 学問分野、学科

※military discipline=軍事訓練、教練 self-discipline=たしなみ

democracy 民主主義
a democracy 民主主義国

direction 指示、指導
a direction 方向、方角、傾向

※the counter direction=反対方向

government 政治
a government 政府

※form a Government=組閣する

glass ガラス
a glass コップ、グラス  (glasses=メガネ)

※ガラスは粉々に砕けてもガラスですがコップは砕けたらコップと呼べません。

interest 興味、関心
an interest 趣味

mind 知性
a mind 賢人、教養人

paper 紙
a paper 新聞、論文、レポート

※「紙」はちぎっても、シュレッダーにかけても「紙」。
新聞はシュレッダーにかけたらもう「新聞」とは呼べません。

power 力、能力
a power 強国、大国

personality 個性、性格
a personality 有名人、タレント

rubber ゴム
a rubber 消しゴム

※rubber band=輪ゴム

room 余地、空き場所
a room 部屋

speech 話し方、発言
a speech 演説

※freedom of speech=言論の自由

soul 感情
a soul 霊魂、亡霊

tin スズ、ブリキ
a tin ブリキ缶

time 時間
a time 時代

work 仕事、勉強
a work 作品、著作



今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。