sit と seat はその活用に少し注意したい動詞です。
sit は自動詞、他動詞であり、seat は他動詞です。
この[sit]、他動詞の時、再帰代名詞oneself を目的語として伴って [sit oneself]「座る」のように自動詞の意味をつくったりします。
これを再帰用法reflexive usageと呼びます。
また、他動詞の[seat]も[be seated]「座る、座っている」[get seated]「座る」といった自動詞の意味をつくるので注意が必要です。
以下、例文と合わせて見ていきましょう。
sit「座る、止まる、合う、調和する」(自動詞)「座らせる」(他動詞)
※「体の重さをお尻の上に置く」の意味。当然、この動詞のエネルギーは他のものに作用しません。それ自身で完結します。よって目的語があるとおかしい。
他動詞「座らせる」としても使われます。
しかし前述のように[sit oneself]は「座る」という自動詞の意味。
・変化は sit-sat-sat
She sat still in the chapel for hours.
「彼女は礼拝堂に何時間もじっと座っていた。」
※stillは補語。SVCの第2文型。
A bird sat on a tree branch outside the window.
「窓の外の木の枝に鳥が止まっていた。」
To acquire this qualification, you have to sit for an examination.
「この資格を取得するには、試験を受けなければならない。」
※[sit for an examination]受験する
He sat the new employee next to the president.
「彼は新入社員を社長の隣に座らせた。」
※これは他動詞
He sat himself nervously in the cockpit.
「彼は緊張してコックピットに着座した。」
※文法的に他動詞だが再帰用法[sat himself]で自動詞の意味をつくる。
seat「着席させる」(他動詞)
※[be seated]「座る、座っている」[get seated]「座る」[seat oneself]「位置する」の自動詞の意味を持つこともある。
・変化は seat-seated-seated
He seated the participants.
「彼は参加者たちを席につかせた。」
She seated herself quietly before the judge.
「彼女は裁判官の前に静かに着席した。」
※[seated herself]で自動詞の意味
We got seated in the front row of the theater.
「私たちはその劇場の最前列に座った。」
※[got seated]で自動詞の意味
At that time, the Imperial Court of Japan was seated in Nara.
「当時、日本の朝廷は奈良に置かれていた。」
The Ainu are said to have seated themselves in Hokkaido during the Kamakura period.
「アイヌは鎌倉時代に北海道に定住したと言われています。」
※[seated themselves]で自動詞の意味
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。