知覚動詞 verbs of perception は使役動詞と同様に第5文型 SVOC を作ります。
「~が~するのを、見る、聞く、感じる」を意味します。
C、つまり補語の部分に原形不定詞がくるのはこの「知覚動詞」と「使役動詞」、help だけです。
原形不定詞は to が省略された不定詞です。決して動詞ではありません。
注意すべきは原形不定詞の他に現在分詞を用いる場合もあることです。
原形不定詞の場合は一部始終を「見る、聞く、感じる」ですが現在分詞の場合はその瞬間をスチール写真のように切り取っています。
またC(補語)ということであれば当然この場所に動名詞、過去分詞、to不定詞も来うるということです。例文では取り上げていませんが。
他の第5文型と同様にOCは主語、述語関係が成立していますから、「見る,聞く、感じる」動作の主体はO(目的語)ということになります。
以下それぞれの知覚動詞の意味、用法を例文を通して見ていきましょう。
1.see 「Oが~するのを見る」
※Cには原形不定詞か現在分詞
I saw John enter the theater in Yurakucho.
「有楽町でジョンがその劇場に入るのを見た。」
I saw my father walking alone down Aoba street.
「父が青葉通りを一人で歩いているのを見た。」
I saw her cross the road through the window of the building.
「そのビルの窓から彼女が道路を渡るのが見えた。」
※彼女が道路を渡るのを一部始終みていた。
I saw her crossing the road through the window of the building.
「そのビルの窓からふと見ると彼女が道路を渡っていた。」
※道路上を横断している短い時間を切り取っています。
2.hear 「Oが~するのを聞く」
※Cには原形不定詞か現在分詞
I heard a little girl cry outside.
「外で小さな女の子が泣いているのが聞こえた。」
※ある程度の時間、聞こえていた。
As I passed through the hallway in front of the music room, I heard a classmate girl singing.
「音楽室の前の廊下を通った時、クラスメートの女子が歌っているのが聞こえた。」
※短い時間です。
3.feel 「Oが~するのを感じる」
※Cには原形不定詞か現在分詞
When he saw the police officer approaching, he felt his heart beating wildly.
「警官が近づいてくるのを見たとき、彼は心臓が激しく鼓動しているのを感じた。」
※知覚動詞を2つ使っています。
When he gave her the letter, Tomoko felt herself flushing.
「彼が彼女に手紙を手渡した時、朋子は自分が顔を赤らめているのを感じた。」
4.watch 「Oが~するの見る」(注視、観察)
※Cには原形不定詞か現在分詞
While washing the dishes, I watched Otani playing in the game on TV.
「皿洗いをしている時にチラリとテレビを見たら大谷がプレイしていた。」
When the teacher spoke to us, we were watching the festival procession pass in front of the school.
「先生が話しかけてきた時、僕たちは祭りの行列が学校の前を通っていくのを見ていた。」
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。