much more と much less の使い方。
以前の記事で比較級を強調する副詞、much, still, even, far について取り上げましたが。
今回はその補足的な説明になります。
こうした強調の副詞の後に less が来る場合と more が来る場合の考え方を整理したいと思います。
一番のポイントは以下の2点です。
1.much less タイプ ⇒ 前には否定文がきます。
※否定文に続いて「ましてや~ない」
much less, still less
2.much more タイプ ⇒ 前には肯定文がきます。
※肯定文に続いて「まして~などはもちろんだ」
much more, still more
否定文の後には less の付いたもの、肯定文の後には more の付いたものが来ると考えればわかり易いと思います。
もちろん単独で使われることもあります。
似た強調の表現である、even less, far less, even more, far more についてはその前に否定文、肯定文が来るといった条件はありませんのでここでは取り上げません。
以下、その用法、語感を高めるために例文を見ていきましょう。
much less
They have never been to a big city before. They have never even been to Nagoya, much less Tokyo.
「彼らは都会に行ったことがない。彼らは名古屋にも行ったことがなく、ましてや東京にも行ったことがありません。」
この文は much less を let alone 「~は言うまでもない」に置き換えることができます。
They have never been to a big city before. They have never even been to Nagoya, let alone Tokyo.
「彼らは都会に行ったことがない。彼らは名古屋にも行ったことがなく、東京に行ったことがないのは言うまでもない。」
still less
You are the one in charge, you don’t know about it, still less do I.
「担当者である君がそれについて知らないんだから、僕が知っているはずないだろ。」
(否定の副詞句 still less の後ろが倒置しています。強調表現)
much more
Nobita can do it so well, much more can I.
「 のび太があんなに上手にできるんだから、俺様だってもっと上手にできるはず。」
She can speak French, much more English.
「彼女はフランス語が話せるし。ましてや英語はもちろん話せる。」
この文は still more を not to mention や to say nothing of
「~は言うまでもない」に置き換えることができます。
She can speak French, not to mention[to say nothing of] English.
「彼女はフランス語が話せる。もちろん英語が話せることは言うまでもない。」
still more
She always looks intelligent, still more when wearing that uniform.
「彼女はいつも知的で、あの制服を着ているときはなおさらです。」
以前の参照記事
much, far, even, still 比較級を強調する「ずっと~」という表現
「~は言うまでもない」という表現をまとめてみました。これだけ知っていれば完璧でしょう。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。