英語において品詞の理解は非常に大事です。
品詞を判別し、他の語との関係性を知ることなしに英語を理解することはできません。
今回は形容詞についてその要点を解説します。
英語において形容詞が果たす役割は次の2つだけです。
1.名詞を修飾する(限定用法)
2.補語になる(叙述用法)
それではどのような単語、かたまりが形容詞として機能しているのでしょうか?
それは以下の5つです。
1.当然ですが、単語の形容詞(これは名詞の前に置かれます。)
2. to不定詞(形容詞的用法。名詞を後ろから修飾)
3.現在分詞、過去分詞(一語であれば名詞の前、分詞句であれば名詞を後ろから修飾)
4.前置詞句(前置詞とセットになって名詞を後ろから修飾)
5.関係代名詞節、関係副詞節(名詞つまり先行詞を後ろから修飾)
以上の5つが、英文の中で形容詞、形容詞句、形容詞節として名詞を修飾しているか、あるいは補語として機能しているわけです。
また、限定用法(名詞の修飾)と叙述用法(補語)の2つの機能に関して言えば、[elder, latter, upper]といった限定用法でしか使われない形容詞や、先頭が ”a” で始まる[alike, afraid, alive, alone]といった名詞を修飾せず、叙述用法でしか使われない形容詞、また[certain, ill, late]などの限定用法と叙述用法では意味の異なる特徴的な形容詞もあります。
これについては弊ブログでも以前、取り上げていますのでぜひ、ご参照下さい。
また、関係代名詞や関係副詞の制限用法、非制限用法についても、関係詞節が形容詞節であることから、関係詞の制限用法を形容詞の限定用法、そして非制限用法を形容詞の叙述用法と考えると、両者の意味の違いを理解する上で非常に分かり易いということも付け加えておきます。
それでは例文を見てみましょう。
Is there an excellent senior employee to make the new employee understand the significance of this job?
「新入社員にこの仕事の意義を理解させる優秀な先輩社員がいるか?」
※ 不定詞の to make 以下が形容詞句として employee を修飾。
That student talking with the professor over there is my dormitory roommate.
「あそこで教授と話をしている学生は、私の寮のルームメイトです。」
※現在分詞 talking 以下が形容詞句として student を修飾。
The foreign girl in fabulous kimono looked calm.
「素敵な着物姿のその外国人の少女は、落ち着いて見えた。」
※ in fabulous kimono という前置詞句が形容詞句として girl を修飾。
That pitcher who is throwing on the mound right now is actually my son.
「今マウンドで投げているあのピッチャーは、実は私の息子なんです。」※ who 以下の関係代名詞節が形容詞節として先行詞 pitcher を修飾。
You can see over there The yakitori restaurant “Torikichi”, where we through our department’s year-end party every year.
「 あちらに見えるのが、毎年部署の忘年会でお世話になっている焼き鳥屋の『鳥吉』です。」
※関係副詞の非制限用法です。非制限用法は名詞に対する情報の「付け足し」であるとよく説明されますが、このケースでは where 以下の関係副詞節が形容詞節の叙述用法として “Torikichi” に対する補語であると考えると非常に分かり易いと思います。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。