関係代名詞の限定用法(制限用法)と継続用法(非制限用法)の違いが判らないという方が多いのでわかり易く説明します。
まずは例文です。
The student who wrote this paper is my classmate.
(限定用法)
「この論文を書いた学生は私の同級生です。」
I met Johnny, who asked me to give you this message.
(継続用法)
「ジョニーに会ったら、君にこのメッセージを伝えてほしいと頼まれた。」
2つの文の一見した違いは継続用法の場合、先行詞と関係代名詞の間に必ずカンマが置かれます。
これはこの文を2つのシーンに区切る役目を果たしています。
限定用法にはカンマがありません。
関係代名詞を用いた文は関係代名詞とその後に続く主語、動詞の文つまり関係代名詞節が直前に置かれている名詞(先行詞)を修飾している形容詞節のカタマリを作っています。
つまり関係代名詞節=形容詞です。
※関係代名詞whatを除きます。whatは名詞節を作ります。
例文の1、は漠然とした、全く情報不足である先行詞 man に対して説明を加えたり、様子を詳しく述べて情報を絞り込んで(限定)特定しているので限定用法 restrictive use と呼ばれます。
先行詞を後ろの関係代名詞節が形容詞として修飾 modify しているわけです。日本語訳にするときは修飾語である後ろの関係代名詞節を先に訳してから、前の先行詞に被せていけばよろしい。
これに対して例文の2、継続用法 non-restrictive use では先行詞には初めから具体的な絞り込まれた情報 Jhonny が置かれています。
既に人物が限定、特定されています。
よって後ろに置かれる関係詞代名詞節はこの先行詞を修飾して絞り込んでいるわけではなく、ここで述べられているのは先行詞に対する追加情報です。
日本語訳する時は返り読みする必要はありません。先行詞⇨関係代名詞節というそのままの順序で訳し下げしましょう。
繰り返しますが、関係代名詞節=形容詞です。
形容詞の英文中での役割は次の2つしかありません。
1.「名詞を修飾する。」これを限定用法と呼びます。
2.「補語になる。」これを叙述用法と呼びます。
よって以下のように考えると非常に分かり易い。
限定用法⇨先行詞を修飾する関係代名詞節の限定用法。
継続用法⇨先行詞の補語になっている関係代名詞節の叙述用法。
まとめると以下のようになります。
関係代名詞の限定用法
1.カンマがない。
2.先行詞は漠然とした情報で説明不足。
3.関係代名詞節は先行詞を修飾して説明を加え絞り込んでいる。
4.場面が1つのシーンで構成されている。
5.形容詞の限定用法であると考えればわかり易い。
6.日本語訳する時は後ろの関係代名詞を訳してからこれを先行詞にかけるとよい。
関係代名詞の継続用法
1.カンマが必ずある。
2.先行詞は絞り込まれた情報で、すでに特定されている。
3.関係代名詞節は先行詞に対する追加情報である。
4.場面がカンマによって2つのシーンに分けられている。
5.形容詞の叙述用法と考えればわかり易い。
6.日本語訳する時は前から後ろへ訳し下げればよい。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。