使役動詞 causative verb は第5文型 SVOC を作ります。
つまり、主語(名詞)の後ろに make, have, let, get といった動詞が来たときはその動詞のうしろに目的語、補語が展開される可能性があると、予測しましょう。
展開を予測しながら読むことは速読力をアップする上で非常に大事です。
C(補語)の部分に原形不定詞(見た目は動詞の原形ですが、動詞ではありません。to のない不定詞です。)が来るのはこの「使役動詞」と「知覚動詞」そして help しかありません。
初めてこの表現に出会うと、一つのセンテンスに動詞が二つあるので少し戸惑うことがあります。
原形不定詞 (bare infinitive もしくは root infinitive )は形こそ動詞の原形と同じですが、あくまで to が省略された不定詞と考えます。決して動詞ではありません。
注意すべきは使役動詞の get です。Vに get を使った場合はCの箇所に原形不定詞ではなく、to不定詞が置かれます。
他の第5文型と同様にOCには主語、述語の関係が成立していますから、Cの動作、状態の主語はOということになります。
ただ、このSVOCのCは補語ですから、形容詞、名詞に該当するもの、つまり to不定詞や現在分詞、過去分詞も使われます。
この使役動詞の用法は英語の試験に頻出の基本的な文法単元です。しっかり確認しておきたいところです。
以下それぞれの使役動詞の意味、用法を例文を通して見ていきましょう。
1.make 「Oに(強制して)~をやらせる」
※Cには原形不定詞がきます。
※上から目線で命令的なニュアンスです。
The coach made him run 10 laps on the ground as a penalty.
「コーチは彼にペナルティとしてグランドを10周走らせた。」
Soviet troops made surrendered Kwantung Army disarm immediately.
「ソビエト軍は降伏した関東軍を即座に武装解除させた。」
2.have 「Oに(頼んで)~してもらう」
※Cには原形不定詞がきます。
※立場、上下関係を背景に使われることが多い。
I will have someone pick you up at Kawauchi station.
「誰かに君を川内駅まで迎えに行ってもらおう。」
I would like to have someone stitch a rip in this shirt.
「誰かにこのシャツの破れを縫ってもらいたいんだけど。」
3.let 「Oに(自由に、あるいは黙認して)~をやらせておく」
※Cには原形不定詞がきます。
She won’t let anyone enter her room since yesterday.
「彼女は昨日から誰も部屋に入れようとしないんだよ。」
As the typhoon approached, the teacher let the students go home.
「台風が近づいたので先生は生徒を家に帰らせた。」
4.get 「Oに(依頼して)~させる、してもらう」
※Cには to不定詞がきます。⇐注意
The armored personnel carrier broke down, so I will get the ordnance corps to tow it.
「装甲兵員輸送車が故障したので、武器隊に牽引してもらいます。」
Let’s get the newcomer to repair the car.
「新入りの彼にその車の修理をやらせてみよう。」
※使役動詞の have と get は感覚的に似ていますが、have は職場内の人や、家族、友人への依頼、get は専門業者やプロにお金を払って依頼する場合が多いような印象です。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。