第5文型をいろいろと取り上げてきました。
これまで他動詞の後ろに目的語と補語が連続して並んでいる、あるいはOCの間に[as]が入ってO+as+Cの形になるタイプの動詞を紹介してきました。
この形の場合はOCの判別も比較的容易でした。
しかし、[SVO+to不定詞]の形をつくる動詞は文型判定が少し難しくなってきます。
実際、この構文をSVOCの第5文型だと紹介している本もあれば、文型に当てはめず、単に[SVO+to不定詞]タイプの文として理解するようすすめている本もあります。
Oと[to不定詞]以下のカタマリに主語、述語関係があるのは理解できますが、それをC(補語)とするのであればそれは形容詞か名詞のいずれかであるはずです。
しかし、その[to不定詞]が形容詞的用法か名詞的用法のいずれなのか判定に困って頭を抱えてしまうこともよくあります。
私もこの形の文を単に[SVO+to不定詞タイプ]として紹介します。
このタイプの文を作る動詞は沢山ありますが、代表的なものを何回かに分けて取り上げています。
今回は like, want, wish, promise を使った文です。
ただし、promiseは要注意です。
以下、いつものように例文を見ていきましょう。
like(~に~してほしいと思う)
I like you to run for office.
「君に選挙に立候補してほしいと思う。」
※run for office(公職に立候補する。)
I like you to lend me your hand for an hour.
「1時間だけ手を貸してほしい。」
want(人が~することを望む)
He want her to go with him.
「彼は彼女に一緒に行ってほしいと思っている。」
I want you to leave this room right now.
「今すぐこの部屋から出て行ってほしい。」
wish(人に~してほしい)
I wish you to return to work as soon as possible.
「あなたにはできるだけ早く仕事に復帰してほしいと願っています。」
※実現可能なことへの願望。直説法。
Tell me clearly what you wish me to do.
「私に何をしてほしいのか、はっきり言ってくれ。」
※ただ、このような文では want, would like を使うのがふつう。
※wishは願望として可能なこと、不可能なこと両方に使える。このため仮定法でよく使われる。
promise(人に~することを約束する)
He promised his wife to come home alive.
「彼は妻に生きて帰ってくると約束した。」
I promised her to pay off my debt soon.
「私は彼女に借金をすぐに返すと約束しました。」
※以上の二つの文ではpromiseのうしろの目的語とその後のto不定詞のカタマリに主語、述語関係が存在しません。
[to come home alive]するのは[his wife]ではなく[He]であり、[to pay off my debt soon]するのは[her]ではなく[I]です。
つまり動詞promiseがこのタイプ「SVO+to不定詞」の文を作る場合はto不定詞以下は目的語であり、SVOOの第4文型になります。
第5文型といえるのは[O+to不定詞~]に主語、述語の関係性があるからです。[promise+O+to不定詞~]の文は第4文型を作っています。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。