文型と動詞

これを知らないで英語を勉強しても無駄だ!【自動詞と他動詞】これを判別しながら英文を読むクセを付けなければ君の英語学習は徒労に終わるぞ!それほど大事なことだからしっかり読んでおけ!

英文中で使われている動詞が他動詞なのか自動詞なのか?

この何でも無さそうなことが英語の構文や語の繋がり、関係性を理解する上で非常に重要です。

しかしこのことを英語学習者の多くが軽視しがちです。

自動詞と他動詞を見分ける能力が学習の効率を大きく左右するともいえます。

英語の「5文型」は英語学習者であればよく知っていますが、その判別が自動詞、他動詞の見分けにあるという事はほとんど理解されていません。

いや軽視されているといっても過言ではありません。

今回は英文の構造を瞬時に見抜くための必須条件であるこの自動詞、他動詞について詳しく話したいと思います。

 

以下の7つのポイントに絞って話します。

1.自動詞 Intransitive verb とは→目的語を必要としない動詞である。

2.他動詞 Transitive verb とは→目的語を必要とする動詞である。

3.自動詞か他動詞かを暗記する必要はない。動詞が出てきた時に判別する習慣をつけることが一番大事。

4.同じ動詞でも自動詞で使われたり、他動詞で使われたりする。

5.「5文型」とはこの動詞の種類によって分類されたものである。

6.他動詞が「他の人、モノに対して行う動作」という認識は間違い。

7.自動詞、他動詞が分詞に変化した時の意味に注意。


まず、
1.自動詞 Intransitive verb とは→目的語を必要としない動詞である。

補語を必要としないもの→これを完全自動詞と呼びます。
「~を」や「~に」の意味を含まない動詞であると言えます。
これが第一文型、SVの形をつくります。

例えば

We arrived at Osaka.
「私たちは大阪に到着した。」

arrived の後に何もなくても文が成立します。つまり完全文です。
at Osaka は副詞句です。つまり修飾語(M)です。この文では目的語が不要であり 「私たちは到着した」だけで文として完成しています。これが第一文型です。


完全自動詞は後ろに前置詞+名詞(副詞句)を伴うことが多い。


My car won’t start.
「私の車、全然動かないの。」

 Jiro runs in the mountains.
「治郎は野山を駆ける。」

I haven’t replied to her Email.
「私は彼女のメールにまだ返信していない。」

Tomoko called on her aunt at noon.
「朋子は正午に叔母を訪ねた。」


後ろに補語を必要とする自動詞→これを不完全自動詞と呼びます。

The sky is cloudy.
「曇り空である。」

He will become a Major leaguer in the future.
「彼は将来メジャーリーガーになるでしょう。」

Do we have to lie flat on the ground When encountering enemy troops?
「敵軍に遭遇したとき、私たちは地面に伏せる必要がありますか?」

The soldiers sat still, listening to the broadcast of the Emperor’s Radio Statement.
「兵士たちは、天皇陛下の玉音放送を聴いて、じっと座っていました。」


自動詞にはどの様な動詞が使われているのでしょうか? 


英語学習の最初の頃に習った動詞が多いのですが、英語全体の中では非常に少ない。英語ではほとんどの動詞が他動詞です。自動詞は少数派です。

代表的な自動詞をあげてみます。これらの自動詞(不完全自動詞)はSVCの第二文型をつくります。


まずは

「とどまる系」 の仲間、continue, hold, keep, remain, stayなど。

They kept quite calm in the site.
「彼らは現場でかなり落ち着いていた。」

She remained silent for the question.
「彼女はその質問について無言を貫いた。」

We stayed comrades for many years during the revolution.
「私たちは革命の間、何年も同志の間柄であった。」


「~になる系」become, come, get, turn, grow, make, fall, run, goなど。

Baseball has become my favorite sport studying abroad in Japan.
「野球は、日本に留学して私のお気に入りのスポーツになりました。」

The children are growing bored.
「子供たちは退屈している。」

Former islanders are getting older day by day.
「元島民たちは日ごとに高齢化しています。」

The leaves in Arashiyama turned red as autumn deepens.
「嵐山の葉は秋が深まるにつれて赤くなった。」

While he was taking a deep breath, he felt well.
「深呼吸をしていると、彼は気分が良くなった。」

The pickles have gone bad in the warm temperature.
「漬物は暖かい温度でだめになりました。」


「~に見える系」appear, look, seemなど。

The teacher seemed surprised by his students’ ignorance.
「先生は生徒たちの無知に驚いたようだった。」

She looked deeply disappointed by the news.
「彼女はその知らせにひどく失望したように見えた。」

「感じる系」feel, smell, sound, tasteなど。

Be careful!   horseradish tastes terribly hot.
「気を付けて! わさびはすごく辛いから。」

His suggestion sounds quite good.
「彼の提案はなかなかいいね。」

 

 次に他動詞です。

2.他動詞 Transitive verb とは→目的語を必要とする動詞である。

※他動詞は「~を」とか「~に」という意味を含んでいる動詞です。

※すぐ後ろに必ず目的語がきます。(副詞が間に入る場合もありますが、副詞は文の要素ではありませんので、ここでは無視します。)

I haven’t answered her letter yet.
「私は彼女の手紙にまだ返事を書いていない。」

Susan loves chocolate.
「スーザンはチョコが好き。」

Will you pass me the salt?
「ちょっと、そこの塩取ってくれない?」

Most of us today’s people probably are ingesting too much sugar.
「今日、私たちのほとんどは、おそらく砂糖を過剰に摂取しています。」

Heaven helps those who help themselves.
「天は自ら助くる者を助く。」

You must decide when to start.
「いつ始めるか、決めないとね。」

The ancient settlers learned that the land in the plateau was fertile.
「古代の入植者たちは、その高原の土地が肥沃であることを知った。」


3.自動詞か他動詞かを暗記する必要はありません。動詞が出てきた時に判別する習慣をつけるがことが一番。

※同じ動詞でも自動詞として使われたり、他動詞で使われたりする場合があるからです。暗記することに意味はありません。
自動詞か他動詞は文脈の中で決定されます。


例えば grow や sell

He grew in Aomori. 
「彼は青森で育った。」
(これは自動詞です。)

Young people grow their hair long these days. 
「最近の若者は髪を伸ばしてるね。」
(これは他動詞です。)

His latest book is selling very well.
「彼の最新刊はよく売れてる。」
(これは自動詞です。)

Nearby superstore sell almost everything.
「近くのスーパーはほとんど何でも売ってるよ。」
(これは他動詞。)


5.「5文型」とはこの動詞の種類によって分類されたものである。


5文型とそこで使われている動詞のまとめ

SV  完全自動詞
SVC 不完全自動詞
SVO 完全他動詞
SVOO 完全他動詞
SVOC 不完全他動詞


6.他動詞が「他の人、モノに対して行う動作」という認識は間違い。


※動詞の持つ意味から自動詞、他動詞を判別するのもNGです。また、自動詞が「自分に行う動作」で他動詞が「他の人、モノに対して行う動作」という認識は間違いです。
他人に対して行う自動詞も、 自分に向けた他動詞もあります。
例: enter (入る),  discuss (議論する),  attend (出席する) これらはいずれも他動詞ですが、自分が行う行動にも使われます。

I entered the facility without permission.
「私はその施設に許可を得ないで入った。」

I want to discuss Brexit with the prime minister.
「私は首相とEU離脱について議論したい。」

I will be unable to attend the meeting.
「その会議には出席できないですね。」

※繰り返しますが、英語の動詞はほとんど(9割方、またはそれ以上)が他動詞です。

①動詞があったらまず他動詞ではないかと考えて直後に目的語(名詞)がないか確認しましょう。あれば他動詞と判断します。

②動詞の直後に前置詞+名詞があればその動詞は自動詞であると判断しましょう。前置詞+名詞は副詞句です。

 ただし、①、②が基本ですが、他動詞と目的語の間に副詞が入る場合もあるので注意しましょう。

You had better realize carefully the character of Shinobu.
「しのぶの性格をよく理解しといた方がいいぞ。」(忠告)             

※副詞は比較的自由に配置されます。目的語の前でも後ろでもよいのです。 目的語が長い場合(名詞節など)、他動詞の直後に置かれることが多いです。


最後に

7.自動詞、他動詞が分詞に変化した時の意味に注意しましょう。


自動詞の現在分詞は→進行の意味(~している)

The man standing over there is the owner of the car.
「あちらに立っている方がその車のオーナーだ。」

That is the high-rise apartment belonging to Mr. Smith.
「あれがスミス氏の所有する高層マンションです。」


自動詞の過去分詞は→完了の意味(~した)

The police are now after the escaped suspect.
「警察は今、逃走した容疑者を追跡しています。」

Right now, the train arrived at platform 1 from Chichibu.
「ただ今、秩父からの列車が1番線に到着しました。」


他動詞の現在分詞は→能動の意味(~させるような)

The story was very interesting to us.
「その話は私たちにとって非常に興味深いものでした。」

Hideyoshi’s army turned back with surprising speed.
「秀吉の軍勢は驚くべき速さで転進してきた。」


他動詞の過去分詞は→受動の意味(~された)

The TV staff found some buried treasure in Gunma.
「そのテレビのスタッフは群馬で埋蔵金を発見しました。」

What are the languages spoken in Switzerland?
「スイスで話されている言語は何ですか?」


※分詞の場合は元の動詞が自動詞か他動詞かを判別できないと正確に意味が理解できない場合があるので注意が必要です。

 

今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。

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