「第4文型 SVOO をつくる動詞-その6」 として、前置詞 [for] を使うタイプの動詞を紹介します。
この第4文型 SVOOで使われる動詞は「授与動詞」と呼ばれ、「に〜を渡す、伝える」という意味を持っている文型です。
SVOOのOOは目的語が2つ続く文型で、それは多くの場合「人、もの(事)」の順番になります。人以外が最初の目的語になる場合もあります。
しかしこの順番が「もの(事)、人」の形に順序が入れ替わると、第3文型のSVOに変化し、後ろに下がった名詞、代名詞の前には必ず前置詞の to, for あるいは of が置かれて、前置詞句の副詞に変化します。
前置詞の[to]は動作や行為の「到達点」であり、動作や行為による利益、恩恵といったものが to が向かう人に到達している、届いていることを示しています。
しかし、 [for] は方向を示しているだけの前置詞であり、そこへの到達を意味しません。
したがって for を要求するタイプの「授与動詞」はその「人」にそれが届いたのか、あるいは受け取ったかを明示していません。
この点が to を要求する「授与動詞」との違いです。
前回に続いて、前置詞 for を要求する代表的な「授与動詞」を取り上げます。
今回は以下の4つです。
buy(買ってあげる)
find(見つけてあげる)
leave(残しておく)
spare(お金や時間を割く)
それでは例文を見てみましょう。
buy(買ってあげる)
My father bought me a new computer as a gift for entering school.
「入学祝いに父が新しいパソコンを買ってくれました。」
He bought a brand new car for his daughter.
「彼は娘に新車を買ってあげた。」
find(見つけてあげる)
Could you find me a competent assistant?
「僕に有能なアシスタントを見つけてくれないかな?」
I’ll find a beautiful dress for you.
「君に素敵なドレスを探してあげよう。」
leave(残しておく)
I’ve left you two assignments.
「君のために2つの課題を残しておいたよ。」
Leave some cake for the kids.
「子供たちのにケーキを残しておいて。」
※「~を残して死ぬ」という場合は前置詞 to をつかいます。
The politician left nothing to his sons.
「その政治家は息子たちに何も残さなかった。」
spare(お金や時間を割く)
Can you spare me an hour?
「1時間だけ時間をもらえないか?」
Would you spare one of those roses for me?
[そのバラを1本、私に譲ってくれませんか?]
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。