動詞

【put on と wear】 【listen と hear】「動作動詞と状態動詞」 普段あまり意識しませんが、時制を考える時に大事です。 


今回は「動作動詞 action verb 」 と「状態動詞 stative verb 」の話です。

「自動詞」「他動詞」に比べると普段はあまり意識しないことですが、実はこの区分けも英文の構造や時制進行形の話しと深く関わっているのでしっかり確認しておきたいところです。

 

今回のポイントは以下の5つです。

1.動作動詞と状態の特徴

2.代表的な動作動詞と状態動詞

3.動作動詞は進行形にできるが、状態動詞は進行形にできない。

4.「時制 tense 」との関連

5.あえて状態動詞を進行形で使う表現


まず、
1.動作動詞と状態動詞の特徴


「動作動詞 action verb」

①傍から見ても何をしているか分かる動詞。

②動作に始めと終わりがある。

③動作の主体が意識して動作を開始したり止めたりできる。

④動作が行われる期間が明確。


「状態動詞 stative verb

①傍から見てもその状態がわからない場合がほとんど。

②尋ねてみて、初めて確認できる場合がほとんど。

③状態に明確な始まりと終わりがない。

④ほとんどの場合、意識的に始めたり、終えたりできない。

⑤その状態に明確な期間がない。


2.代表的な動作動詞と状態動詞


代表的な動作動詞

look(at)(~を見る), watch(見る、監視する), put(on)(身につける), study(学習する), run(走る), walk(歩く), swim(歩く), have(食べる)listen(聴く)


代表的な状態動詞

see(見える), like(好き), love(愛してる), know(知っている), hear(聞こえる), look(~のように見える), wear(身につけている), have(所有している)

※look や haveには動作動詞、状態動詞の両方の意味があるということです。


3.動作動詞は進行形にできるが、状態動詞は進行形にできない。

※基本的に動作動詞は進行形 Ving にできるが、状態動詞は進行形にできません。

例1:
look(at)は「意識してある点に視線を向ける」という動作。

seeは「~が見えてくる」という状態。

What is John looking at?
「ジョンは何を見てるの?」

What do you see?
「何が見える?」


※ただし、seeは動作動詞として機能している場合もあります。

 The party is seeing the sights of Takayama.
「その一行は高山の名所を見物している。」

Who are you seeing these days?
「あなた最近誰とつきあってるの?」


例2:
listen(to) は「意識して耳を傾ける」動作。

Hear は「聞こえてくる」状態。

The people of the village were listening to the radio.
「その村の人たちはラジオに耳を傾けていた。」

Grandpa, Do you hear me?
「おじいちゃん、聞こえる?」


例3:
put(on) は「身につける」という動作。

wear は「身につけている」状態。

I put on sunglasses to go jogging.
「僕はサングラスをつけてジョギングに出かけた。」

Mitsuha wore a yukata at the night festival in Mizumori.
「三葉は水守町の夜祭りで浴衣を着ていた。」

※以下の表現はダメです。

✖Taro put on a tuxedo at the evening party.
太郎は夜会でタキシードを身につけていた。」とはなりません。

これだと太郎は夜会で他の服から着替えたか、パンツ一丁で参加していたことになります。

正しくは
〇Taro wore a tuxedo at the evening party.
となります。


4.「時制 tense 」との関連

英語の時制には基本時制である「現在」「過去」「未来」の3つと活用形の「基本形」「進行形」「完了形」「完了進行形」4つをかけて合計12の時制があります。

動作動詞は「基本形」「進行形」「完了形」「完了進行形」のいずれにも使えますが、状態動詞は基本的に進行形では使えず「基本形」と「完了形」のみで使用されます。

 〇 He is looking for he key in his bag.
「彼はバッグの中の鍵を探しています。」

〇 He has wore the same shirt for a week.
「彼は1週間同じシャツを着ている。」

✖ My father was hearing the message of God when I entered the cave.
「私がその洞窟に入った時、父は神のお告げを聞いていた。」

正しくは
〇 My father was listening to the message of God when I entered the cave.

✖ He was seeing the sea of Japan from the window.
「彼はその窓から日本海を眺めていた。」

正しくは
〇 He was watching the sea of Japan from the window.


✖ He will have been wearing the same necktie for a week tomorrow.
「彼は明日で同じネクタイを1週間も着ていることになる。」

正しくは
〇 He will have been putting on the same necktie for a week tomorrow.  


5.あえて状態動詞を進行形で使う表現

状態動詞を進行形で使うことは絶対的なルール違反ではありません。
今、この瞬間の印象や思いを鮮やかに、いきいきと表現するのに使われる場合があります。

You are looking nice in the suit.
「そのスーツ着てるとカッコいいね!」

I’m loving it!
「好きなんだよね、それ。」

これで動作動詞、状態動詞についてはもう大丈夫です。

 

今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。

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