不定詞

to do か doing か? to 不定詞と動名詞、どっちを使う? これを理解すれば暗記不要。


以前は動詞だったが、今はもう動詞ではなくなっているものに準動詞(Verbal)があります。

分詞、不定詞(原形不定詞も)、動名詞の三つです。この中で名詞の役割を果たす動名詞(Gerund)と名詞的用法の不定詞(Infinitive 今回はto不定詞)が目的語として使われる場合、一体どちらを使うことになっているのか?という話です。

大学受験や英検でも必出とも言えるほどの高頻度で出題されるこの用法、暗記に頼って覚えるのも確かに有効ですが、学習の作業としては大変で非効率です。

両者の持つ性格、傾向を理解すれば暗記は不要でしょう。

以下の4つを押さえればこれから自信をもって試験に臨めるはずです。


1.  動詞には目的語にto不定詞を要求するものと、動名詞を要求するものがある。


2.  to不定詞は未来志向、動名詞は過去志向


3.  to不定詞は動的、動名詞は静的


4.  to不定詞はポジティブ、動名詞はネガティブ

 

1.動詞には目的語にto不定詞を要求するものと、動名詞を要求するものがある。

動名詞(V+ing)と名詞用法の不定詞(to+V)はどちらも訳せば「~すること」となります。前に置かれている他動詞とセットで「~することを~する」という意味になります。例えばこんな感じです。

①Hanako determined to study abroad this summer.
「花子はこの夏留学することを決心した。」(to不定詞)

②Hanako avoids seeing her ex-boyfriend.

「花子は元カレに会うことを避けている。」(動名詞)

decide は準動詞を目的語にする場合に to不定詞を要求する他動詞で、

avoid は動名詞を要求する他動詞です。

以下にそれぞれの代表的な他動詞を少し取り上げてみます。

目的語にto不定詞をとる動詞

agree ~することを承諾する
decide ~することを決める
determine ~することを決心する
offer ~することを申し出る
mean ~するつもり
hope ~することを望む
expect ~することを期待する
promise ~することを約束する
refuse ~することを拒絶する
pretend ~するふりをする

次に
目的語に動名詞をとる動詞

mind 嫌がる、気にする
admit 認める
enjoy 楽しむ
deny 否定する
escape 免れる、逃げる
excuse 言い訳する、許す
finish 終える、仕上げる
postpone 延期する
stop 止める
give up やめる

数としてはto不定詞を要求する他動詞が圧倒的に多く、動名詞を要求する動詞が比較的に少ないため、「動名詞を要求する代表的な動詞を暗記してしまい、それ以外はto不定詞を要求する動詞と考えれば良い。」このような受験勉強テクニックのような指導もあります。

例えば動詞のイニシャル文字「MEGAFEPS」で暗記する。

すなわち「mind, enjoy, give up, admit, finish, escape, put off, stop」この8つの動詞を暗記すればこのような動名詞かto不定詞かを判別させる問題の7割は得点できるだろうということです。

私はこれに対してこれだけ覚えれば頻出の9割はカバーするだろうと思われる12単語の「MEGADEFEPSHA」を提案しています。

「mind, enjoy, give up, admit, deny, escape, finish, excuse, put off(postpone), stop, (cannot) help, avoid」暗記するのであればこれだけ覚えれば十分です。


ただし、次のようにto不定詞、動名詞のどちらもとれる動詞もあります。

begin 始める
continue 続ける
start 始める
like 好む
love 愛する
hate 嫌う

I like playing Video games.でも I like to play Video games.どちらでもOKです。

ただ、動名詞はその結果に、to不定詞はその過程に視点を置いているニュアンスがあります。


2.to不定詞は未来志向、動名詞は過去志向

前置詞のtoは元々、ある地点、方向へ到達することを示す言葉であることから、to不定詞においても、未来に向かってある行動、動作をする、ある状態になるという意志、気持ちを表している傾向があります。

Jiro decided to give his little brother the favorite comic.

「次郎は弟に一番好きな漫画をあげることにした。」

The president refused to accept the bill submitted by the committee.
「大統領はその委員会が提出した法案を受理することを拒絶した。」

そして動名詞は過去から現在にかけてすでに事実になっていること、
「~したことを~する」という他動詞につく傾向があります。


I’ve just finished studying for the mid-term exams.

「僕はちょうど中間テストの勉強を仕上げたとこだ。」

His son has denied being involved in the scandal.

「彼の息子はそのスキャンダルとの関わりを否定している。」


3.to不定詞は動的、動名詞は静的

to不定詞はこれから何か始める、活動するといった動きに対する期待、
予期といったアクティブな雰囲気を表す傾向が多い。

The apprentice started to realize what his master meant then.
「その弟子はあの時親方が何を言おうとしていたのか、分かりかけてきた。」

Takeo promised to send letters to his classmates from Russia.

「武夫は級友にロシアから手紙を出すことを約束した。」

一方、動名詞は事実として確定している事、カチッと固まっていることを~するといった表現に使われることが多い。

The children will never forget watching the mega-hit anime at the movie theater in Toyama.
「その子たちはその大ヒットアニメを富山の映画館で見たことを忘れないだろう。」

For his health, John’s father gave up smoking once and for all.
「健康のため、ジョンの父はタバコをきっぱりと止めた。」


4.to不定詞はポジティブ、動名詞はネガティブ

to不定詞は意志や決心、希望といった前向き、ポジティブな意味の他動詞の目的語に用いられることが多い。~したい、~に向かっている。そんな表現に使われる傾向があります。

He determined to go to Italy where he can learn the skill for manufacturing authentic violin.
「彼は本物のバイオリン造りを学ぶためイタリアに行こうと決心した。」

Shinobu always means to be kind to other trainee.
「しのぶはいつも他の受講生に親切にしようと思っている。」

一方、動名詞には~をやめる、~を避ける、~を嫌がるといった後ろ向きでネガティブな状況に使われるという傾向が見られます。

Matasaburou avoided seeing his classmates on the way home on the day.
「又三郎はその日、帰り道で級友に会うことを避けた。」

The governor narrowly escaped being punished for the election fraud.
「その知事は選挙不正で罰せられることから辛うじて逃れた。」

もちろん、すべてにこの傾向が当てはまるわけではありません、当然例外もあります。

Being afraid of retaliation, Susan refused to testify about the case in the court.
「報復を恐れて、スーザンは法廷でその事件について証言することを拒否した。」(ネガティブ)

The Makioka family enjoyed watching the Kabuki play after a long while.
「蒔岡家の家族は久しぶりに歌舞伎を楽しんだ。」(ポジティブ)


それぞれの傾向を知ることが効率的な勉強法です。

他動詞の目的語にto不定詞、動名詞のどちらをとるのかは、英語が母語のネイティブにとっては自然に身についているもので簡単なことかもしれませんが、外国語として学んでいる人にとっては難しい。

よって英語力を測る試験では非常に高い頻度で問題として出されています。

to不定詞は未来、動的、ポジティブ。動名詞は過去、静的、ネガティブ。

このような傾向があることを念頭に入れておけばこの動詞の場合はどちらなどと一生懸命暗記する必要はないと思います。

 

今回は以上です
ご精読いただきありがとうございました。

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