関係代名詞と関係副詞。合わせて関係詞と呼ばれます。
大学受験、英検、TOEICなどに必出の文法事項です。
問題でこれを間違えるとダメージが大きい重要な英文法の基礎です。
その違いが説明できますか?この機会にしっかり確認しておきましょう。
関係代名詞(Relative pronoun)と関係副詞(Relative adverb)は英文を読む上で必須の文法項目。その役割と用法をしっかり理解して英文法の基礎を固めましょう。
ここでは
1.関係代名詞と関係副詞の先行詞は何か?
2.関係代名詞と関係副詞の役割は何か?
3.関係代名詞Whatの他と異なる役割。
4.関係代名詞の後には不完全文がくる。
5.関係副詞の後には完全文がくる。
以上の5項目についてお話します。
1.関係代名詞と関係副詞の先行詞はなにか?
先行詞(antecendent)という言葉は関係詞の文法項目にしか出てきません。
関係代名詞の What を除いてほかの関係詞の直前には必ず先行詞(名詞、代名詞)があります。
表にしてみました。
関係代名詞
関係代名詞 | 先行詞 |
who | 人 |
whose | |
whom | |
which | 物あるいは人 |
that | |
what | なし |
関係副詞
関係副詞 | 先行詞 |
when | 時 |
where | 場所、(状況、立場) |
why | the reason のみ |
how | the way のみ |
2.関係代名詞と関係副詞の役割は何か?
関係代名詞、関係副詞とその後に続く文。これを「関係代名詞節」「関係副詞節」と呼びます。これは直前の先行詞を修飾する「形容詞節」になります。
つまり「関係詞節」とは何?→先行詞を修飾する形容詞のカタマリのことです。
日本語訳にするときは関係詞節を先に訳してからそれを先行詞(名詞)にかけましょう。後ろから前へです。
What is the name of the cute girl who just came in?
「今ちょうど入ってきたあのかわいい娘の名前は?」
3.関係代名詞Whatの他と異なる役割。
関係代名詞の What は他と異なり先行詞がありません。形容詞節も作りません。
作るのは名詞節です。
名詞のカタマリを作るわけですから What の作る関係代名詞節はほとんどの場合、文中において主語か目的語、補語この3つのいずれかの役割を果たしています。
このため他の関係詞と違って文頭に置くことが出来るわけです。
先行詞+関係代名詞which(the thing which, that which, the person which)を含んでいる複合関係代名詞の一種と言えます。
文中に What が出てきて関係代名詞かな?と思ったらthe thing whichやthe person whichに置き換えて読んでみましょう。意味がすっと通るはずです。
主語
Nobita! What you have is mine.
「のび太! お前のものは俺のものだ。」
目的語
I don’t know what you mean.
「ちょっと何言ってるかわかんないですけど。」
補語
Her parents made her what they wanted her to be.
「彼女の両親は彼女を彼らの望む人間にした。」
補語
The prime minister is what we call a self-made man.
「その首相はいわゆる自力で這い上がってきた男である。」
4.関係代名詞の後には不完全文がくる。
英語においては基本的に一つの文(sentence)に2つのSV構造(節)を置くことが出来ません。ただし、その間に接続詞(conjunction)あるいは関係詞のいずれかを挟むことによってこれを可能にしています。
つまり関係詞の文は2つの節を組み合わせて出来ているわけです。
前述の関係代名詞の例文
What is the name of the cute girl who just came in?
これを2つの節に分けると、
①What is the name of the cute girl?
②The cute girl just came in.
になります。
②のThe cute girlという主語(名詞)が関係代名詞の who になったため後ろではこれが消えています。これを主格の関係代名詞と言います。
目的語(名詞)が消えている場合は目的格の関係代名詞と呼びます。
また、
目的格の関係代名詞は省略することが出来ますが、主格の関係代名詞は省略することが出来ません。
実際のところ、ほとんどの場合、目的格の関係代名詞は省略されています。
文の途中に名詞+主語+動詞の形があったら名詞の主語の間にあった関係目的格の関係代名詞が省略されていると考えましょう。
いずれにしても関係代名詞の後には主語か目的語のどちらかを欠いた不完全文が来ます。つまり、不完全文の前には関係代名詞が置かれるということです。
これは関係代名詞だけに当てはまる重要な文法項目です。しっかり覚えましょう。
5.関係副詞の後には完全文がくる。
関係副詞の例文です。
This is the place where the great musician is buried.
「ここがその偉大な音楽家が埋葬されている場所です。」
これも
①This is the place.
②The great musician is buried in the place.
の2つの節を関係副詞の where でつないでいます。
②のin the place という副詞(句)が where になっているために後ろの節からこれが消えているわけです。
副詞というのはSVOCの文の要素にはなりませんので文中にあっても無くても完全文、不完全文とは関係ありませんから関係副詞の後には副詞を欠いた完全文がくる。ということです。
つまり関係詞の文においては後ろが完全文だとその前には関係副詞が置かれるということです。
つまり関係副詞のwhen, whereの前には必ず時、場所を表す先行詞が来ますが、先行詞が時、場所を意味する名詞でも後ろに来るのは必ずしも関係副詞の when, where ではないということです。
ここが英語のテストでよく問われるところです。
先行詞が後ろの節で名詞として使われていれば→関係代名詞
先行詞が後ろの節で副詞として使われていれば→関係副詞
これをしっかり覚えておけば大丈夫。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。