英語学習

なぜ英語の勉強が続かないのか? 多くの人が挫折する理由。

私個人としては決して好きな言葉ではありませんが、「国際化社会」や「グローバル化」と言われて久しいし、日本人の英語力向上は重要な課題でしょう。

「英語を話せるようになりたい」「インターネットの時代、英語の情報を直接、自由に入手できるようになりたい」「受験や英検、TOEICでハイスコアをとりたい」こう思いながら英語の勉強に励む人は確かに多い。非常に多い。

しかし残念ながら大学受験が終わると大半の人は英語の勉強をやめます。あの一生懸命さは一体なんだったのでしょうか?

「受験英語」とは勉強内容のことではなく実はこのような英語学習に対する「態度」の事をいうのではないでしょうか。

それでも、社会人になってからやはり英語力の必要性を感じて、私のように再チャレンジする方も沢山います。しかしやはり、そのほとんどの方も途中で挫折していきます。

勉強を継続できません。勉強が続かないのです。目標に到達せず途中で諦めていきます。

ある程度の英語力を身に付けた人というのはそういう意味では、決して特別な語学才能のあった人ではなく、「勉強し続けた人、諦めなかった人たち」とも言えます。

今回はその「勉強が続かない理由」について私の個人的な所感をお話したいと思います。

私が考える「英語の勉強が続かない」4つの理由


1.そもそも英語が出来なくても日本では普通に生活できる。

2.明確な目標を設定せず、すぐに勉強の成果を求める。
3.家族や他人の影響を受けやすい環境で勉強している。
4.毎日の勉強の評価をその日のうちにしていない。

まず、


1.そもそも英語が出来なくても日本では普通に生活できる。

日本以外の国においては英語ができない人は高位、高官に就けない、年収1000万円以上の所得を得られないといわれます。逆に言えば世界で日本だけが、英語が出来なくても上のステータスにいける。高所得者になれる国だということです。

実際、皆さんの周りを見ても英語なんて全然できない、英文なんか全然読めなくても高い地位にいる人は普通にいると思います。
英語ができないと職に就くことさえ難しい、高所得を望めない。日本はそういう国ではありません。

英語力の必要性は声高に叫ばれてますが、実際、英語力がないから会社で昇進出来ない、所得が低いままという状況はごく一部の職場を除けばほとんど見かけません。

つまり日本という国は、英語が出来なくても食っていける国なのです。私たちはある意味そういう恵まれた国に生まれた。とも言えます。

ですから、学校で英語の成績が多少悪くても、英会話学校を途中でドロップアウトしようと、英語の資格試験が取れなくても、TOEICでハイスコアが取れなくても特段生活に困ることはないのです。要するに日本では英語習得に必死にならなくてもなんとか生きていけるのです。

皆さんの周囲に英語が十分に使いこなせる人、どれ位いるでしょうか?
私は英検1級、全国通訳案内士の資格を苦労して取得しましたが、
自分が英語を自由に操れるなどという意識は全然ありません。英語で何言っているかわからない、聴き取れないことはしょっちゅうですし、知らない単語にも頻繁に出くわします。そんなレベルなのです。

英検の受験者は今や年間で約400万人ですが、そのうちの1級合格者数は横ばいでほとんど増えていません。年間2500人程度で推移しています。大雑把に言えば英検受験者で英検1級に合格しているのは1800人に1人ぐらいの割合です。日本の人口比で言えば英検協会が言うところの「大学上級レベル」の英語力を有する人は多くみても2~3万人に1人程度ということです。

日本人の大多数,ほとんどは英語中級以下。聴き取れない、話せないということです。こういう環境ですから、英語が出来なくても日常生活に差し障りがないし、英語ができないからといって将来に不安を抱く必要もないわけです。みんなそうですから。

このような英語を取り巻く環境で一生懸命英語の学習に取り組む人は立派です。でも途中で諦めても、勉強をやめてもさほど困ることではないのです。逆に一生懸命勉強して英語学習の目標を達成して英語力が向上したとしても普段の生活や、職場環境、報酬が劇的に変化するわけでもないし、高い英語力を身に付けていなくても普通に生活できるのです。

「英語学習を途中で止めても良しと判断するためのハードルが低い。」これがまず英語の勉強が続かない第一の理由だと思います。


2.明確な目標を設定せず、すぐに勉強の成果を求める。

以前の記事勉強継続のコツ  目標は高く?いやいや目標は近くに、そして少し低めに設定しましょう。
にも書きましたが。英語の学習を始める時、「英語が話せるようになりたい」「映画のセリフが聴きとれるようなりたい」「今度こそ英語をマスターしたい」といった漠然とした目標で勉強を始める人が多い。

しかし、この場合、自分のしている勉強の有効性の評価、つまり英語力が向上しているのか? 英語学習の目標に近づいているのか? という自己評価がしにくい。

自分の努力の成果が実感できず、学習のモチベーションも維持できずにフェードアウトしてしまう。このような例は皆さんの周囲でも沢山あると思います。実際「英語の勉強を始めた」という人に「最近、勉強の方はどんな感じ?」と訊くと「何となくやめちゃった」といった感じです。このようなことが非常に多いです。

ぼんやりした曖昧な目標は英語勉強が挫折するの一番の原因です。『志こころざし』の問題です。まず、受験生であれば「共通テストで絶対7割」とか、あるいは「英検2級」「TOEICスコア600」といった明確で学習目標達成がはっきり実感できるターゲットを設定しましょう。

そのような目標をクリアできたということはそのレベルに要求される英語力を確実にゲットしたということです。

明確な目標を設定したら学習計画を立てることが出来ます。目標に対して自分の英語力がどれくらい足りないのかを分析しましょう。

何か月後までにどれくらいの勉強をしなければならないのか?必要とされる単語の数は?どの教材を使うべきか?など色々リサーチする。1か月、1週間、そして1日に何をどの程度勉強してゆくべきなのか?何ページづつ進んでいったら目標に対して順調に学習が進捗していることになるのか客観的に自己評価ができるようになりましょう。このような学習を続けていけば目標に必ず到達できます。「今日も目標に一歩近づいた」「今週もかなり前進できた」という実感が得られるのです。

このような学習を継続している人は学習の成果というものがすぐに得られるものではないことを承知していますし、数週間単位、数か月単位でじわじわと力がついていること実感しているはずです。

一方、教材を頻繁に買い替えて、「この本を使ったけど、全然成績が上がらない。」「この学習法を試したけど身に付かなかった。」「この塾、予備校、英会話スクールに通ったけど、全然英語力が向上しない。」と言い訳する人は同じ本、同じ方法、同じ塾、予備校、英会話スクールで成績を伸ばした人がいること、そしてその人達と自分の学習に対する取り組み方にどのような違いがあるかについて真剣に分析しようとしません。

当然ですが、英語学習の成果は一朝一夕で表れてくるものではありません。昨日一生頑張って単語を100個覚えたからといって次の日に長文がスラスラ読めるようになるということは無いのです。

英語学習は焦らず毎日コツコツする。学習効果はじわじわ、少しづつ上がってくるものだということを自覚しましょう。

 

3.家族や他人の影響を受けやすい環境で勉強している。

これについても以前の記事勉強時間 社会人にとっては作るのが難しい。 忙しいあなたどうしてますか?で少し述べましたが、これは決して家族のいる場所や職場の同僚、あるいは通勤、通学時に同じ車両にいる人を避けて勉強すべきだといっているわけではありません。

「自分が一人になれる時間を意識して効率的につくり出し、その時間を英語学習に当てましょう。」ということです。学生であれば勉強するのが仕事ですからこの点、特に問題はありません。一生懸命勉強していて他人から非難されることはありませんから。しかし、結婚して家庭、家族がある人や社会人は別です。家庭や職場では、家事や家族との関わり、職場での職責、業務の遂行が第一優先です。

自己啓発で行う勉強は傍から見れば立派なことのように見えても、それが家族と過ごす時間や家事、職場での上司、同僚、部下とのコミュニケーションに支障をきたしたり、業務に影響を与えたりすることがあってはならないのです。

妻や夫と話す、子どもと話す、一緒に遊ぶ、何か作る。皆で一緒にご飯を食べる。こうやって毎日、普通に家族と過ごす時間はあなたの英語学習よりはるかに大事なことです。

こういう日常を犠牲にして勉強することは「無理をしている」ということです。

「無理は継続の大敵」というのが私の持論です。学生と大人は違います。大人であれば自分以外の人をまず第一優先に考えましょう。家庭で家族に勉強している姿を見せるのは確かに立派なことかもしれません。しかしやがてそれは自分の方を見ていない夫、親父、妻、お母さんという不満になっていきます。このような環境で勉強を続けると勉強が「重い」ものになっていくのです。

私の場合、極力この「オヤジが勉強している姿」を家族に見せませんでした。家にいる時は普通のゴロゴロしている「オヤジ」でした。ただ、洗濯物をたたんでいる時、食器を洗っている時、障子を張り替えている時などイヤホンでリスニングをすることに関してはOKです。

このような時間を作り出す工夫をすることが大切です。大人の勉強法です。決して睡眠時間を削ったり、健康を害するような無理な勉強はしませんでした。家で時間をつくって机やテーブルに向かって勉強することも全くありませんでした。勉強時間は全て通勤の車中や5分、10分の隙間時間、子どもの部活の送迎の待ち時間、土日の遠征先で一人でいる待ち時間などを利用しました。一人でいる時しか勉強しませんでした。そのためか、英検1級も全国通訳案内士も合格までに何年も何回もかかったのは事実です。

しかし、そんな資格よりも3人の子供が小さかった時、10年以上の間、毎晩寝る前に本を読み聞かせたこと、妻と一緒に子供の成長する姿をつぶさに見て、喧嘩したり、大笑いしたりしながら、沢山のシーンを心に焼き付けることが出来たことが、自分にとって何倍も価値がある一番の宝物です。

家庭や本業に支障をきたすような勉強は続かない。「英語の勉強を生活の第一優先にしない。」これが逆説的に英語学習を継続していくための条件、環境だと思っています。


4.毎日の勉強を評価をその日のうちにしていない。

毎日、どれ位勉強するのかを設定して、日々これを積み重ねて力をつける。そして一日の終わりにどれほど進捗したか自分で分析、評価しましょう。

今日、新しい単語をこれだけ覚えた、この文法項目を身に付けた。この箇所はこうやって発音するんだとか。勉強していると毎日新しいこと、知らなかったことに出会います。楽な勉強や、わかっている事ばかりで、知らないものが何もない勉強をしていたのであれば英語力が全く向上していないということです。自分の無知、未知を探す勉強をして、必ずこれをマークしましょう。知らないことの発見とそれを身に付けることによって英語力は向上していきます。

単語を何個覚えた、文法書を何ページ読み進めた、リスニングを何分した、音読を何ページした。こうしたことを振り返って自分で評価することによって勉強に張り合いが出て、本当に少しづつでも昨日と今日ではこれくらい自分の英語力が向上したという評価をしましょう。
これを一週間単位、一か月単位にしたら相当な学習進捗、英語力アップにつながっていることを実感するはずです。

変な言い方かもしれませんが、「頑張った自分を自分で評価して、自分で褒めてあげましょう。」これができることが英語に限らず、様々な勉強を継続するコツです。

これは一見簡単なことですが、実はこれが出来ない人が多いです。自己肯定感を自分で作り出すことが出来ない。「今日は良くできた。頑張った。」「今日は少し怠けたな。今日はあまり進めなかったな。」こういう評価を他人やテストの結果でするのではなく、自分の努力を自分で評価する。力がすこしづつアップしていることを毎日の勉強で実感することが大事です。

これが出来ないと、試験に合格できなかった、スコアが上がらなかった、偏差値が上がっていないということに落胆して、自分の努力が無駄だったのではないかと思い込み、学習の継続意欲を失ってしまい結果的に勉強が続かなくなります。

テストの結果が良くなかったということは決して力がついていないということではありません。「花は咲かずとも根は育っている。」のです。

失敗しても腐らず諦めず努力して最後に結果を出す人は毎日の努力に自信をもっています。「今回は目標に届かなかったけれども、確実に近づいている。」という自信をもっています。

日々努力してきたことを確認、肯定して自己評価を高めているからこそ失敗、落第しても勉強を継続できるのです。皆さんも寝る前に必ず自分が今日やった勉強を振り返って頑張ったを自分で褒めましょう。

 

今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。

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