「~年生」という学年の呼び方について。
「私の息子は小学3年生です。」とか「お嬢さんは大学の何年生ですか?」という時、「~年生」をどのように英語で表現するかについて意外と知らない方が多いようです。
日本では「小学~年生」「中学~年生」「高校~年生」「大学~年生」と言うのが一般的です。
我が国では学制が6、3、3、4と統一されているため基本的にはこれでOKですが、最近では小中一貫の公立学校も設立され始め、日本でも「7学年、7年生」(中1)「9学年、9年生」(中3)という呼び方を目にすることが増えてきました。
アメリカでは学制が州によって異なるため7年制の小学校や4年生の高校もあったりして合衆国として統一されていません。もちろん日本の「文科省」のような組織も存在しません。
このため「小学校から高校」までと「大学」ではこの「~年生」という呼び方が違っています。
これについての話です。以下の4つにまとめてみました。
1.大学生に”grade”は使わない。
2.新入社員を”freshman”と呼ばない。
3.大学生の「~年生」と「~回生」の違い。
4.University か Collegeか?
学年の呼び方、結論から申し上げると以下の表のようになります。
小学一年生 | 1st grade |
小学二年生 | 2nd grade |
小学三年生 | 3rd grade |
小学四年生 | 4th grade |
小学五年生 | 5th grade |
小学六年生 | 6th grade |
中学一年生 | 7th grade |
中学二年生 | 8th grade |
中学三年生 | 9th grade (freshman) |
高校一年生 | 10th grade (sophomore) |
高校二年生 | 11th grade (junior) |
高校三年生 | 12th grade (senior) |
大学一年生 | freshman |
大学二年生 | sophomore |
大学三年生 | junior |
大学四年生 | senior |
1.大学生に”grade”は使わない。
小学生から高校生まではgradeを使いますが、大学生にはgradeを使わないので注意が必要です。
My son is in 3rd grade at an elementary school.
「息子は小学三年生です。」
My daughter is a sophomore in Tokyo university.
「うちの娘は東大の二年生です。」
My daughter is in her second year of National Defense Academy.
「うちの娘は防衛大学校の二年生です。」
Shinobu got married when she was a senior in college.
「しのぶは大学四年の時に結婚した。」
2.新入社員を”freshman”と呼ばない。
日本では「フレッシュマン」というと一般的に新卒の新入社員に対して使いますが。これは日本だけのようです。
英語では新入社員newemployee, fresher, rookie と呼び、freshman はあくまで大学一年生のことです。
ちなみに女子に対してもfreshmanあるいはa first-year studentでOKです。freshwomanとは呼びませんので要注意です。違った意味になってしまいます。
”I’m in first grade.” とはランドセルを背負ったピカピカの小学一年生のことです。
海外では「ランドセル」はないと思いますが、
”I’m a freshman in college.” もしくは ”I’m in first year of college.” と表現します。
3.大学生の「~年生」と「~回生」の違い。
ところで、この「大学何年」の呼び方、東京と大阪で違うのは皆さんご存知のことでしょう。
私も「大学~年生」と「大学~回生」とは単に関東と関西の呼び方の違いかと思っていました。
関西のテレビ番組のテレビ番組ではよく「~大学の~回生」と自己紹介していて、関西地方では「~年生」のことを「~回生」と呼ぶものと思っていましたが、これには少し誤解がありました。
関西地方ではこの「~回生」は「大学生活~年目」の事を意味するようです。
東京では何年留年しようとも「4年生」ですが、(自虐的に「5年生、6年生」と呼ぶ場合もありますが、)大阪では2年留年していたら「6回生」と言うそうです。
これは昔、東京帝国大学では学年次ごとに履修科目が決まっていたのに対して、京都帝国大学では学年次に関係なく各科目を履修していたのでこのような呼び方になったようです。
京都大学での呼び方がその後、関西地方の大学に広がったようです。
しかし現在のこの呼び方は決して東日本と西日本で分けられているものではありません。主に近畿(大阪、京都、滋賀、兵庫、奈良、和歌山)と四国でこの呼び方が使われており、中国、九州、中部地方では「~年生」が主流のようです。
「うちの地域でも~回生と言ってる。」とか「四国だけど~年生という。」といったご意見をいただきそうですが。概ねこの表現の分布はこんな感じです。
したがってこの「~回生」を正確に英訳するには ”sophomore” や ”senior” ではなく、”in second year” や “in forth year” あるいは ”in fifth year” などと言った方が正確な表現になると思います。
My boyfriend is a senior at Osaka University.
「私の彼氏は大阪大学の4年生。」
これよりも
My boyfriend is a 4th year student at Osaka University.
「私の彼氏は大阪大学の4回生。」
の方がしっくりくるわけです。
4.University か Collegeか?
日本では一律に「大学」という呼称を使いますが、英語では各大学名にUniversity, College, Institute, Academyといった様々な呼称が使われています。ここではその語源や由来、大学の規模や学部編成、歴史といった話はしません。
いわゆる高校卒業後に進む上級教育機関を総称してCollegeと呼ぶことが多いようです。
What do you think you would like to do after college?
「大学卒業したらどうするつもり?」と言うときに仮に現在通っているところが正式名称~University, や~Institute でも、
What do you think you would like to do after university?
とか
What do you think you would like to do after institute?
とはあまり言いません。
「大学生」はUnivesity StudentではなくCollege studentです。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。