誰もがわかっているようで実はあまり自信がない。そんなちょっと影の薄い「5文型」の話です。
しっかり読んでいただければ、今回ですっきり理解できるはずです。
5文型
最初の頃に習った文法単元です。なぜか地味な存在です。
最初、中学で習いますが、多くの学習者はあまり深く気に留めないようです。
「文型パターンを暗記すればいいや」ぐらいにしか思っていない人が多い印象です。
これをしっかり身につけていなくても学校の授業はどんどん進んでいきます。
私が高校生に最初に英語を教える時、必ず確認することは
①8つの品詞を知っているか?
②句と節が区別できるか?
③5文型がどんなものか説明できるか? です。
これにスラスラ答えられたら上級にスイスイ進む生徒であることは間違いありません。
逆にこれが理解できていない場合は必ず一度おさらいして確認します。
この3つがわかっていないとその後文法の話を聞いてもおそらくクリアに理解できません。
学校の授業ではこれを繰り返し使って文法事項を説明しているはずですが、実際には先生の言うことをよく理解できていないと思います。
この知識が曖昧だと英文法を自分の中にしっかり落とし込むことが出来ないはずです。
文法学習の土台がグラグラだということです。
この基礎事項をしっかり押さえているかが英語学習の進捗を大きく左右します。
不定詞、動名詞、分詞の準動詞はもちろんそうですが、
その後の「使役動詞」「知覚動詞」の単元に入ってくると学習者のモヤモヤが深まり、
関係代名詞、関係副詞の学習段階でかなりの確率でつまずき始めます。
「ちょっと何言ってるかわからない」状態になります。
ですから、文法学習の単元が進捗する際、何度も何度も5文型の知識を確認しながら学習を進めさせます。
5文型をなめてかかると痛い目にあいます。
5文型とは
第1文型→SV
第2文型→SVC
第3文型→SVO
第4文型→SVOO
第5文型→SVOC
Sは主語 subuject。Vは述語動詞(動詞verbではなく述語動詞predicate verbです。5文型を説明する場合こう呼びます。品詞の動詞と明確に区別します。ここが大事です。)
Oは目的語object。Cが補語complementです。
以上の4つ。このSVOCを「文の要素elements of a sentence」と呼びます「文の成分」とも呼ばれます。
実はもう一つあります。Mです。modifier。修飾語です。これは「文の要素」ではありません。SVOCのいずれにもなりません。
次にどの品詞がどの「文の要素」を担当するかです。
S(主語)になるのは名詞(代名詞)だけです。
V(述語動詞)になるのは動詞、助動詞です。長い場合は4語にもなります。
O(目的語)になるのは名詞(代名詞)だけです。
C(補語)になるのは名詞、形容詞のみです。
以上が一番肝心なことです。
Mになるのは副詞か形容詞。ほとんどは副詞です。
次に大事なのが、
第1文型、第2文型で使われる動詞が自動詞。
第3、第4、第5文型で使われる動詞が他動詞だということです。
自動詞、他動詞の区別がしっかりできないと、これもまた、文法学習上のもやもやの原因になります。上級へは進めません。これもしっかり叩き込みます。
それからこれも大事なのことですが、
第2文型(SVC)においてはS=Cの関係、第5文型においてはO=Cの関係が存在しています。
つまり、あるセンテンスの中に「補語」があるということはその文中に必ずその補語とイコール関係になる名詞(代名詞)が存在するということです。
それからもう一つ忘れてはいけないのが、第5文型のOとCは主語と述語の関係になっているということです。
これは英文読解で非常に重要なことになります。
あと最後にもう一つ。これも大事です。
各文型において文の要素がすべてそろっているものを→完全文complete sentence
文の要素を一つでも欠いているものを→不完全文incomplete sentenceと呼びます。
これは関係詞の勉強の時必ず出てきますから覚えておきましょう。
ただ、繰り返しますが修飾語(M)はこの完全文、不完全文を考える上では無視してもかまいません。「文の要素」ではありませんから。
以上のことが分かっていないと関係詞、使役動詞、知覚動詞の文法単元で英語学習にブレーキがかかってしまうわけです。
ですからその都度「5文型」のことを復習しなければならないのです。
でも大丈夫です。5文型の説明はどんな文法書にも必ず書かれていることです。英語は忘れて、覚えて、また忘れて、覚える。これの繰り返しですから。
以上、少し地味でつまらないかもしれないけれど、実はとても大事な5文型の話でした。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。