「私は一体いつになったらあなたの口から発せられる英語を聴けるのか?」これは私が中高生、大学受験生に英語を指導していつも感じていることです。
英語学習者の誰もがネイティブの英語をしっかり聴き取りたい、流暢にペラペラ話したいと思っています。
でも、長い間勉強しているのに実際に聴き取れない、全然話せるようにならない。こういう方が多い。しかし残念ながらこれが何年も時間を費やしている日本の英語教育の現状です。
これまでは「読む」「書く」という受動的な学習が学校での英語教育の中心でした。
しかし、ここに至ってようやく「話す」「聴く」といった「実際に使える」能動的な英語を重視するようになってきました。大学入試への英検取り込みは言うまでもなく、実際に「使える英語」に注目しだしたようです。
では「使える英語」とは何か?
相手の言っていることをよく理解し、英語で受け答えができる。ということではないでしょうか。
受験勉強で一生懸命文法も勉強したし、長文読解力もある、
そのような基本的な力があるあなたこそ「聴く」「話す」トレーニングをするべきです。
ほんとにあともう少しで、自信をもって英語が自由に使いこなせる領域にいるのですから。
今回はリスニング力の鍛え方の話ですが、実はこれ、スピーキング力の強化にもそのままつながっています。
ポイントです。
1.実際のネイティブの発音を確認しましょう。
2.その発音に少しでも近づけて発音してみましょう。
3.スピードもできるだけ、近づけましょう。
4.英文が出てきたら必ずこれを実施しましょう。
5.自分の口から出ている音声を自分の耳で聞きましょう。
まずは
1.実際のネイティブの発音を確認しましょう。
「ネイティブの人達はこの文をどのように読むのか?」これを必ず意識する癖をつけましょう。
まずは例文です。
Do you like it?
「いかがですか?気にいりましたか?」
これを「ドゥーユーライクイット?」と発音すると思った方はおそらくリスニングに自信がないと思います。
ネイティブ(米)はこれを「デューライケ?」と発音します。
次はこれ
I’m going to go to school.
「学校に行きます。」
これを「アイムゴーイングツーゴーツースクール」と発音した方はリスニングに自信がないはずです。
これは「アムガナガーダスクー」と発音します。
最後に単語を一つ
Chocolate
これは「チョコレート」と発音しません。
「チャ、カリ」です。日本語では4音節か5音節で発音しますが、英語ではChocolateは2音節の単語です。
英語は必ず音声から入る。これがリスニングとスピーキングを鍛える鉄則です。
もしあなたが英語をカリカリ書いて学習しているなら、何年勉強してもリスニング力とスピーキング力は全く身につきません。
2.その発音に少しでも近づけて発音してみましょう。
なぜ聴き取れないのか?。答えは簡単です。あなたのイメージしている発音と実際の発音に乖離(かいり)があるからです。
繰り返しますが、「読めない単語は聴き取れない」「スラスラ読めない英文は聴き取れない」のです。
英検2級の面接試験で短い英文パッセージを読ませる目的がこれです。
目の前に出された英文が正しい発音でスラスラ読めるか?
これでおおよその英語力はわかってしまうのです。
・単語を覚える際は発音記号をチェックして音とアクセントの位置を確認しましょう。
・単語と単語の重なり音(リエゾン、リンキング)を意識して読みましょう。
・発音しないサイレント文字や語尾の脱落音に注意しましょう。
・変化の激しい前置詞toの発音やRとLの舌の形を意識しましょう。
・自分の耳を素直に信じましょう。聞こえた通りに実際話されているのです。
ネイティブの発音に少しでも近づけてまねる。
完璧にまねるのはやはり確かに難しい。
でも出来るだけ、出来る範囲で頑張ってみる。
これを習慣化しましょう。
3.スピードもできるだけ、近づけましょう。
後は練習あるのみです。
繰り返しますが、
英語は勉強と考えずトレーニングだと思ってい取り組みましょう。
自分の舌と口、顎の筋肉がだるくなるくらいに声を出して読みましょう。
自分の口と耳を使って体に覚えさせましょう。
4.英文が出てきたら必ずこれを実施しましょう。
英単語、英文を見たら必ず声に出して読みましょう。
人が周囲にいるようなら心の中で読みましょう。
「音に出して読める」「できるだけ正しい発音に近づける」この二つをないがしろにして勉強を何年続けてもリスニングとスピーキングの力はちっとも向上しません。これは断言できます。
5.自分の口から出ている音声を自分の耳で聞きましょう。
リスニング力を鍛える最も効果的な方法は毎日「VOA」や「CNN」を聴いたりYouTubeで「TED」を観ることでもありません。
自分が話している英語を自分の耳で聴くことです。
自分の持っているテキスト(何でもいいです)を毎日30分、なるべく大きな声でネイティブの発音に近づけて読んでみてください。
これを最低1週間続けてみて下さい。
そして生の英語コンテンツに耳を傾けてみてください。
間違いなくその効果がはっきり出ているはずです。
単語や英文がダイレクトにあなたの耳に飛び込んでくるはずです。
「音読」とはスピーキングとリスニングのトレーニングを同時にすること。
私たちは子供の時に自分の声を自分の耳で聴きながら正しい日本語の発音を学んだはずです。
合唱部や吹奏楽部の生徒さんたちは自分が出す音を自分の耳で聴きながら音の質を磨いているはずです。英語や他の言語の学習も同じではないでしょうか?
このトレーニングの継続であなたはリスニング力とスピーキング力ひいては「使える英語」をぐっと引き寄せることになるのです。
「書く英語」「黙読する英語」からはもう卒業しましょう。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございした。