リスニングだけでは効果なし?
何のためにリスニングをするのか?
あくまで私の個人的な感想ですが、リスニングによってリスニング力(聴き取る力)があまり効果的にアップするとは思えないのです。
私自身、普段、リスニングはよくしています。
スキマ時間を利用して、家事や車での移動中など、コマ切れではあっても毎日2時間ぐらいトータルで聴いている感じです。
でも横になって英語は聴きません。すぐ眠ってしまいますから。
ただ、このリスニング、私の場合やはり「リスニング力アップ」のためには聴いていません。
リスニングしててリスニング力がついているとはあまり思えないのです。
リスニングの時、聴き取れないことは気にしません。
当然ですが、聴き取れないことだらけです。
全てクリアに聴きとれるなどどいうことはありません。
結構テキトーに聴いています。
ただ単に番組の内容が面白い、語られている情報が新しい、有益、楽しい、勉強になるから聴いているだけです。
繰り返しますが「英語を聴いているからリスニング力がアップしている」と感じることは実際ほとんどありません。
実は音読がリスリング力UPに効果的。
「リスニング力がアップしたな」と感じるのは音読の練習をある程度重ねた時です。
出来るだけ、自分なりに?精一杯ネイティブの発音っぽく意識して音読する。真似る。スピードも出来るだけ近づける。
つまり、自分の声をリスニングすることが、リスニング力UPに最も有効だと思います。
自分の耳で自分の口から出る英語を聴く。
これを繰り返すことによって、段々と「英語がストレートに耳に飛び込んでくる」実感があります。
ある意味でその音読の効用を体感するのがリスニングしている時です。
リスニングによってリスニング力が上がるという感覚はあまりないのです。
リスニングは語彙力と長文読解力UPにはとても効果的
リスニングによって得られるメリットのはリスニング力(聴き取る力)というより、ボキャブラリーの定着と語法のバリエーションが広がるということではないでしょうか?
知っている単語を何度も聴くことによって自分の中に定着させていく。
知らない単語や熟語が使われていたら、何度も出てくるそれをその文脈の中で「こんな意味かな?」と類推する。
おおよそ「たぶん、こんな意味ではないかな?」と見当をつけたところで確認のために最後に辞書を引く。
こうして覚えた単語は非常に定着しやすいと思います。
長文リーディングでもこれが出来ますが、リスリングの方が、時間内で流れていく情報量、語数が圧倒的に多いのです。
私の場合はリスニングをリーディングの代替方法の一つと捉えています。
リーディングは自分のペースで読み進めていけますから、その日の調子やモチベーションに読書量が影響を受けますが、リスニングは自分でペースを決められません。
こちらにお構いなしに情報が流れていきます。待ってはくれません。知らない単語、表現は聴き飛ばしです。それでも通過していく情報量は圧倒的に多い。
聴くのは教材用ではなく生の情報がベスト
リスニングの対象はあくまで生の英語です。
「生の英語」という定義がよく分かりませんが、第二言語としての英語学習者向けのものではなく、あくまでネイティブ向け、普通に英米人の視聴者に向けて作られているプログラムが当然望ましいわけです。
英語学習者向けに発音を明瞭にゆっくり、出来るだけシンプルでプレーンな「少し手加減した」英語では効率的に力をつけることはできないと思っています。
ある程度の力がついたら「英語教材」は少し脇に置いて、こういった「生の英語」にチャレンジしていくべきでしょう。
剣道や柔道でも自分より強い相手、歯が立たない相手と対戦して強くなっていく。スキーであれば滑り降りるまでに何度も転倒するような急斜面のゲレンデに立ち向かっていく。
気が付くと強くなっている。上手になっている。そういった感覚です。
音源は海外のものを選ぶ
幸いなことに今は世界中の生の英語の音源に簡単にアクセスできる時代です。
入り江の中でヨットの帆走技術の基礎をある程度身に付けたのならば、どんどん外洋に出て波に揉まれて力をつけるべきでしょう。
幸いなことにリスニングの世界で「外洋に出て」も遭難する心配はありませんから、どんどんチャレンジしていくべきです。
特にTOEICや英検で目標としていたスコアや級に到達した人であれば一度教材から離れて生の英語を渡り歩いてみましょう。
道場を抜けて「他流試合」の旅に出てこそ本当の力がつくのではないでしょうか?
Podcast や YouTube は最大限に利用しましょう。
特にラジオドラマのような番組は文語表現も口語表現もあるので語彙力、文法力向上のためにも非常に有効です。
今や、無限と言っていいほど色々なコンテンツにアクセスが可能です。
以前取り上げた[Meet the Press]のような政治討論番組ではそれこそスクリプトなしの生の英語が飛び交っていますし、[i tune U]では好きな大学の興味のある講義が試聴できるわけです。しかも無料です。
私の場合は「全国通訳案内士」の勉強も兼ねて、アメリカの色々な大学の私が知らなかった「日本史」の講義を沢山、無料で、楽しく「聴講」することが出来ました。
リスニングは「学習」ではなく「楽しみ」でやる
ある程度の英語力がついて少し自信が付いたのであれば、日常生活や職場で英語でのコミュニケーションができるようになるという喜びもありますが、世界中で飛び交っている情報に翻訳を介さない、中間者によって加工されていない状態で存分に情報を入手できる。そのようなところに英語学習の本当の楽しさがあるのではないでしょうか?
リスニングすることの本当の楽しさも「勉強なんか関係なく」ただ聴きたいと思うものを聴く。そこにあると思っています。
英語の勉強はいろいろ大変だけど、リスニングぐらいは「楽しんで」やりましょう。
※私がよく聴いているポッドキャストは前記事
「お薦めのポッドキャスト」その1 リスニングを強化するためのコンテンツをご紹介します。
「お薦めのポッドキャスト」その2 歴史好きのあなたにオススメの3選をご紹介。
で2回に分けて紹介させていただきました。興味のある方はどうぞご参照ください。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。