誰もが苦労する英単語の暗記。
大半の人が苦手なこの作業。
やみくもにやっても苦痛なだけ。
単語の学習は十人十色。これがベストというのは無いでしょう。
今日は私なりに考えた、体験的な効率的に短時間で身につけるコツの話です。
よろしければ是非試してみてください。
英語力向上のためにどうしても必要なもの。
語彙力(ボキャブラリー)です。
高校生以上になったら英語力は単語力といっても過言ではありません。
今回はその語彙力を高めるための効率的な勉強法について話します。
1.まず大事なのは「書かないこと」です。
あなたは「書いて覚える派」ですか?それとも「読んで覚える派」ですか。
私は「音読して覚える派」です。
多くの人がいきなりノートに書き始めます。何回も何回も、でも待ってください。
それは何を覚えようとしているんですか。スペルですか?
言葉を覚える上で一番重要なことは何ですか?
「どのように声に出して読むのかこの言葉は。」ではないでしょうか。
皆さんが日本語を覚えた始めた時、いきなり書いて覚えた人はいないはずです。
周りの人が話している言葉を何度も聞いてそれを自分も何度も何度も声に出したはずです。
言語で一番大事なのは「音声」です。綴り方ではありません。
新しい単語に会ったらまず最初にこれは何と読むのか?①どんな発音で、②アクセントはどこに置くのか?③どんな意味か?そして最後に④その綴り方は?これが正しい順番です。
スペルは正確に書けるのに声に出してその単語を読めない。このような勉強している人、沢山見てきました。
それって、使えない英語ですよ。
正確に発音できない単語はリスニングでも聴き取れません。
実際の発音と出来るだけ同じように自分も発声してみる。そしてその意味を覚える。
高校生になったら単語の覚え方はこれで十分です。
2.次に接頭辞と接尾辞、語根を意識しましょう。
英単語にも漢字のように「へん」や「つくり」があると考えましょう。
英語の言葉は長い単語になるほど接頭辞(prefix),語根(root),接尾辞(suffix)で構成されていることが多いのです。
こうした単語のパーツの意味を覚えることによって単語の意味を類推することができます。そして効率的に単語を覚えることが出来ます。これはとにかく沢山ありますので、よく目にするごく一部を紹介します。
まずは接頭辞。大体単語の先頭に来ます。
re~ again,backの意味
dis~ 離れる、あるいは否定の意味
ex~ 「外へ」
pro~ 「前へ」や「賛成」
bene~ 「良い」
mal~ 「悪い」
con~、com~ 「ともに」「同じ」
pre~ 「~の前」
post~ 「~の後」
super~ 「~の上」
sub~ 「~の下」
tele~ 「遠くの」
phil~ 「~を愛する」
次に接尾辞。単語の後ろに置かれています。
~ation, ~ance ,~ment,~nessなどは「状態」
~er,~istは「~する人」
~eeは「~される人」
~ableは「~できる」
~domは「状態」
最後は語根。単語の先頭に置かれたり、中央に置かれたりします。
medi~「中央」
migr~「移る」
mini~「小さい」
mar~「海」
opt~「選ぶ」
bio~「命」
cred~「信用」
どうでしょうか?心当たりの単語が沢山思い浮かびませんか?
これを意識すると単語はただの文字の羅列では無くなって、まったく新しい単語でも意味を推理することができるようになります。
単語にリアリティを持たせることで容易に記憶に定着させることが出来ます。
3.知らない単語に出会った必ずマークしましょう。
自分の教科書や参考書であればアンダーラインを引いたり、蛍光ペンでマークして初見の単語であることを明確にしましょう。図書館などで借りた本であればノートに転記しましょう。読み方が分からないようであれば、これももちろん調べておきます。これを何度も見返すことによってあなたの語彙は確実に増えていきます。
4.最後にこれを頭に定着させましょう。
当然のことですが、新しい単語集を買っても、単語帳やノート、単語カードを作ってもこれが身についてあなたの語彙力として蓄積されなければ何も意味がありません。何度も何度も読み返して、音読しながら意味を確認しましょう。声が出せない環境であれば心の中で声に出してください。
しかしこれが出来ていない人が非常に多いです。作業はしてもトレーニングをしていないということです。バットは買ったのに素振りの練習をしないのと一緒です。これではヒットは打てません。
実を言うと私は英語を学ぶにあたって机やテーブル向かったことが殆どありません。
車の中が大半であとはベンチや何かに腰かけながら、あるいは立ったままでトレーニングすることがおよそ99%といった感じです。
都会の方であれば電車に座りながら、つり革につかまりながら、ホームで電車を待ちながら、ベンチに腰掛けながら、バスを待ちながらのコマ切れの時間。これがトレーニングの時間です。
5分、10分の時間を大事にしましょう。短い貴重な時間をこの反復練習に使いましょう。
そして、重要なのは単語を覚える作業をダラダラやらないことです。
見出し語1500程度の単語集を半年以上かけて覚えようとする人がいますがこれでは定着しません。
遅くても最初のローテーションはひと月以内で、出来れば2週間程度で終わらせましょう。
次のローテーションは10日、次は1週間、その次は数日で読み返しが終了するはずです。これを何度も繰り返す。
大学受験の高校生でよく「3回読んだけど半分も覚えられない。」と言う生徒がいますが「3回で半分なら上出来。」です。
3回で覚えられたら天才でしょう。
「何回やるんですか?」「早い人で30回。普通の人は50回以上。」そんなに?でも大丈夫です。10回目あたりからは1時間以内で全ページ読み返すことが出来るようになるはずです。遅くとも3か月以内でその単語集がマスターできるはずです。
記憶を定着させるのに最も有効なのは忘れる前に思い返すことです。忘れかけている段階で読み直せば簡単に思い出せます。
大切なのは
1、早い速度で何度も読み返す。
2、苦手な単語、覚えにくい単語に執着しない。
3、覚えた単語はチェックして素っ飛ばす。
4、書かない。声に出して読む、意味のイメージを描ければOK。
5、例文に素早く目を通す。
6、日本語の意味はあくまでイメージするための参考程度。
これだけです。スポーツのトレーニングと一緒です。目と口と耳で覚えましょう。
どうしてもスペルが気になるようでしたら、空中に指で書いてみましょう。
それから、大事なのは完璧を目指さないということです。
完璧主義は英語学習の敵です。
9割身につけば大成功。7,8割で良し。と割り切って次へ進みましょう。
英語学習は「食べ残しOK」です。
こうして最初に仕上げた単語集、ノートはもうあなた語彙力の基礎になっています。
やり遂げたという達成感、大きな自信になっているはずです。
もう新しい単語集に移っても見出し語の大半はあなたがすでに知っている単語になっているはずです。
よく、「知らない単語が沢山ある。」といって落ち込む人がいますが。それは逆に新しい言葉を身につけるチャンスです。
知ってる単語だらけの英文を読んでも英語力はつきません。
知らない単語が無い人なんて何処にもいませんから。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。