第5文型をいろいろと取り上げてきました。
これまでは動詞の後に目的語と補語が連続して並んでいる、もしくはOCの間に[as]が入ってO+as+Cの形になるタイプの動詞を紹介してきました。
この形の場合、OCの判別も比較的容易でした。
しかし、[SVO+to不定詞]の形をつくる動詞は文型判定が非常に難しい。
これをSVOCの第5文型だと紹介している本もあれば、文型に当てはめず、単に[SVO+to不定詞]タイプの文として理解するようすすめている本もあります。
Oと[to不定詞]以下のカタマリに主語、述語関係があるのは理解できますが、それをC補語とするのであればそれは形容詞か名詞のいずれかであるはずです。しかし、その[to不定詞]が形容詞的用法か名詞的用法のいずれなのか頭を抱えてしまうこともよくあります。
よって私もこの形の文を単に[SVO+to不定詞タイプ]として紹介します。
このタイプの文を作る動詞は沢山ありますが、代表的なものを何回かに分けて取り上げています。
このタイプの動詞は原因が主語となる「無生物主語構文」が多いのも特徴的です。
今回は動詞 tell, enable, oblige, cause, teach を使った文です。
以下、例文を見ていきましょう。
tell(~に~するよう命令する、注意する)
The captain told Sergeant Ryan to blow up the bridge.
「隊長はライアン軍曹にその橋を爆破するよう命じた。」
The teacher told the students not to talk during class.
「先生は生徒に授業中は私語するなと言った。」
※このtellは第4文型の「教える、伝える、告げる」ではなく「命令、指図」を表す。
enable(~が~することを可能にする、~する資格、権利を与える)
The invention of the steam locomotive enabled us to transport large amounts of goods.
「蒸気機関車の発明が大量の物資輸送を可能にした。」
The establishment of the law enabled women to vote for the first time in the world.
「この法律の制定により、世界で初めて女性が選挙権を持つことが可能となった。」
※enableは無生物主語文をつくる代表的な動詞。原因が主語になる。
oblige(~が~するよう義務づける、余儀なくさせる)
The prefectural regulation obliges us to wear a protective helmet when riding a bicycle.
「県の条例で自転車に乗るときはヘルメットの着用が義務付けられています。」
Injuries from the car accident obliged him to retire.
「交通事故での負傷により、彼は引退を余儀なくされた。」
cause (~に~させる)
The stress from overwork caused him to get sick.
「過労によるストレスで彼は病気になった。」
The severe crackdown on the counter-revolution caused the people to become conservative.
「反革命に対する厳しい弾圧は人々を保守的にさせた。」
※tellと同じく、無生物主語文をつくる代表的な動詞。原因が主語になる。
※causeを用いるより使役動詞表現[make+目的語+原形不定詞]の方が一般的。
teach(~に~するよう教える、~のしかたを教える)
The horrors of war taught the nation to be skeptical about expansionism.
「戦争の惨禍は国民に拡張主義に対して懐疑的になることを教えた。」
Father taught Tom to tie a rope.
「父はトムにロープの結び方を教えた。」
※通常は「how to tie a rope]を用いる。
※第4文型の[teach]との違いに注意。
今回の用法は不定詞の名詞的用法と捉えることができると思います。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。