第4文型 SVOO をつくる授与動詞のうち第3文型 SVO になった場合に前置詞 for と to で意味が変わる動詞 bring と leave を取り上げました。
この第4文型 SVOOで使われる動詞は「授与動詞」と呼ばれ、「に〜を渡す、伝える」という意味を持っている文型です。
SVOOのOOは目的語が2つ続く文型で、それは多くの場合「人、もの(事)」の順番になります。人以外が最初の目的語になる場合もあります。
しかしこの順番が「もの(事)、人」の形に順序が入れ替わると、第3文型のSVOに変化し、後ろに下がった名詞、代名詞の前には必ず前置詞の to, for あるいは of が置かれて、前置詞句の副詞に変化します。
前置詞の[to]は動作や行為の「到達点」であり、動作や行為による利益、恩恵といったものが to が向かう人、モノに到達している、届いていることを示しています。
しかし、 [for] は方向を示しているだけの前置詞であり、そこへの到達を意味しません。
したがって for を要求するタイプの「授与動詞」はその「人」にそれが届いたのか、あるいは受け取ったかを明示していません。
この点が to を要求する「授与動詞」との違いです。
今回取り上げる動詞 bring と leave は「人」の前に to と for どちらも置くことができる動詞ですが、明確に上のような意味の違いがあります。
bring-モノ-to-人(人のところまで~を持ってくる)到達
bring-モノ-for-人(人のために~を持ってきてやる)到達を明示しない。
leave-モノ-to-人(人のために~を残して死ぬ)到達
leave-モノ-for-人(人のために~を残しておく)到達を明示しない。
それでは例文を見てみましょう。
The president brought his children to the company trip.
「社長は社員旅行にお子さんを連れてきました。」
I have brought an umbrella for my sister.
「妹に傘を持ってきました。」
※妹の手に渡っているか明示していない。
He left 3 billion yen to his family.
「彼は30億円を家族に遺して死んだ。」
I left dumplings for my father.
「お父さんに餃子を残しておいたわ。」
※お父さんがそれを食べたかどうかは不明。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。