助動詞

どっちも「~すべき」などという意味で覚えるな!【 should と ought to 】 の意味は同じじゃない!実は全然違うぞ!意味が違うからこそ単語は使い分けられているんだ!

言葉が違えば当然それが含む意味も違うはずです。!
should と ought to はどちらも「~すべき」と習いますが、同じ意味であれば言葉が2つある必要はありません。

その違いを意識しましょう。

これまでも何度も助動詞、とりわけ「気持を被せる法助動詞」を取り上げてきました。

最も意識すべきはその助動詞が持つ「気持ちの強さ」です。

must 100% > ought to 95% > should 90% といったところでしょうか?

私はこの法助動詞に関しては「ちがいない」「すべき」「できる」「してよい」などといった日本語訳で理解するより、動詞に被せている気持の強さの「度合い」を知る方がよろしいと思っています。

should と ought to の要点を以下のようにまとめてみました。

例文と合わせてお読みください。


should

1.義務「~すべき」

2.個人的なアドバイス「~したほうがよい」


3.当然の見込み、推量「当然~のはず」「きっと~だろう」

4.丁寧、ためらい「おそらく~だ」

5.驚き、意外、残念、「一体どうして~なの?」


ought to

6.義務「~すべき」

7.忠告「~したほうがいい」

8.当然の見込み、推量「当然~のはず」「きっと~だろう」


まずは

should

1.義務「~すべき」

You should be kind to the elderly, small children, women and pregnant women.
「年配の人や子供、女性、妊婦さんには優しくしてあげるんだよ。」


2.個人的なアドバイス「~したほうがよい」

※警告の意味を含む [ had better ] と異なることに注意

A woman like you should not go out alone so late at night. I’ll have someone go with you.
「こんな夜更けにあなたのような女性が一人で出かけてはなりませぬ。お供をつけて差し上げよう。」


3.当然の見込み、推量「当然~のはず」「きっと~だろう」

It’s already 8 o’clock. His Shinkansen should have already arrived in Sendai.
「もう、8時だ。彼の乗った新幹線はもう仙台についているはずだ。」

The professor should be participating in the laboratory meeting in Aobayama now.
「教授は今頃,青葉山の研究室でミーティングに参加しているはずだ。」


4.丁寧、ためらい「おそらく~だ」

※I should say, I should think などを伴うことが多い。

Judging from the content of the lecture, I should say that professor Sato is probably familiar with quantum mechanics.
「講義の内容から判断すると、おそらく佐藤教授は量子力学に精通している。」

I should think that this pottery was probably made in the early Jomon period.
「この土器はおそらく縄文時代初期に作られたものだと考える。」


5.驚き、意外、残念、「一体どうして~なの?」

※修辞疑問 rhetorical questionです。疑問詞を伴いますが、疑問文ではありません。

驚きを表現しています。相手の返答を期待していません。独り言です。
よく「びっくり!の should 」と呼ばれたりします。

Why should I get involved in such an incident?
「何で俺がこんな事件に巻き込まれなきゃならないんだ?」

How should she become so good at playing the piano?
「どうして彼女はあんなにピアノが上手になったんだ?」

Where are the manager and section chief on business trips?
How should I know?  I’m just back from a business trip now.

「部長と課長はどこに出張しているの?」
「私が知るわけないじゃない? 私だって今出張から帰って来たんだから。」



ought to


6.義務「~すべき」

Todo, since you are a samurai, you ought to take responsibility for what you said.
「藤堂さん、あなたも武士ならば自分の言ったことに責任を取ってください。」


7.忠告「~したほうがいい」

You ought not to walk through this street as the Shinsengumi are patrolling.
「新選組が巡察しているからこの通りは避けた方がよいぞ。」

※上の二つは社会常識や、道徳、置かれている状況といった客観的な条件から導かれる義務や忠告です。should より強い気持ちです。


8.当然の見込み、推量「当然~のはず」「きっと~だろう」

The training in Osaka starts at 9 o’clock, so they ought to be the company by now.
「大阪での研修は9時に始まるから、彼らはもうその会社に着いているだろう。」

今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。

関連記事
助動詞

入試に必ず出るから、しっかり覚えろ!【 used to と would 】「かつて~だった」の表現でも意味は全然違うぞ!これを理解するためのキーワードは「動作動詞」と「状態動詞」だ!しっかり理解して使い分けを頭に叩き込め!

英語に再挑戦
過去の習慣を表す would と used to については以前の記事でも紹介させていただきました。 今回は特に used to と  …
助動詞

注意しろ!みんな勘違いしているぞ!【 You had better 】は決して「~したほうがいい」というお薦めの意味じゃないぞ!相手に喧嘩を売っている、警告している強圧的な表現だ!助動詞【 had better 】は使い方に気を付けろ!

英語に再挑戦
had better は助動詞の項目で習い、英文にもよく出てくる言葉ですが、多くの人が「~したほうがいいよ」「~するのがオススメ」といった推 …
助動詞

入試に頻出だが、これは意外と知らないぞ!【 cannot help ~ing, cannot help ~enough, cannot ~ too …, may(might) well ~, may(might) as well ~, may(might) as well ~ as …, only have to (have only to) 】このような【can, may, have to 】 を使った慣用表現をなめてはいけない!よく整理して、しっかり覚えないと痛い目にあうぞ!

英語に再挑戦
助動詞の can, may, have to を使った慣用表現は実際英文に登場する頻度は多くない印象ですが、微妙な心理を表現する少しレベルの …
助動詞

どっちも「気持ち」を表すが【 can と may 】は似ているようで似ていない全く違う助動詞だ!実はほとんどの人が判っていないそのニュアンスの違いを頭に叩き込んで使い分けろ!キーワードは「客観性」と「主観性」だ!

英語に再挑戦
can と may は一般動詞に気持を被せる法助動詞の中でも気持の強さが同程度です。 大体50%ぐらい。可能性が半分半分といったところ …