仮定法

[仮定法未来]【 should, were to を使った表現】「たぶんそれはないと思うけど。」起こる可能性が極めて低いと思うことを条件にした表現がこれだ!

仮定法とは「非現実、あり得ないことを表現する」と説明されますが、少し厳密にいうと仮定法の定義は「現在の事実に反していたり実際にはあり得ないこと」を表現する時の述語動詞(predicate verb)の形のことを呼びます。SVOCのVの部分です。

「仮定法未来」と聞いて、仮定法は「仮定法過去完了」と「仮定法過去」以外にもあるのか?と思われる方も多いと思います。英文中で登場する頻度は確かに低い表現ですから。

今回は「仮定法未来」という表題をつけましたが、文法書にはこの表題を特につけないまま、仮定法のくくりの中で説明しているものもあります。

「現在そんなことは起こっていなし、おそらく未来にも起こることほとんど無いだろうと思っている事。しかし100%起こらないとは言えない。」これが仮定法未来。そこが完全に非現実を表現している「仮定法過去完了」や「仮定法過去」と少し違うところです。



仮定法未来はこのような形です。

If she were to know the fact, she would get angry furiously.
「もし彼女がその事実を知れば激怒するだろう。」
(「彼女がその事実を知ることはないさ。」と思っている。)

If It should rain tomorrow, I would not go.
「万一、明日雨が降ったら私は行かないだろう。」
(「雨なんかふらないさ。」と思っている。)

以下の基本的な二つ条件節の形があります。

① If+主語+were to+動詞の原形

② If+主語+should+動詞の原形


いずれも話し手が未来においてその実現性が無い、あるいは極めて乏しいと思われれている仮定の表現です。
また、仮定法未来の表現においては他の仮定法の表現と同様に文頭のIfを省略した場合に倒置が起こり、SVがVSとひっくり返ります。

上記の例文のIfを省略した場合の倒置表現

倒置するとこんな感じになります。

Were she to know the fact, she would get angry furiously.

Should it rain tomorrow, I would not go.


1.
If+主語+were to +動詞の原形のパターン

実現不可能な仮定から、実現の可能性のある仮定までいろいろな段階の仮定を表します。後ろの帰結節には基本的に助動詞過去形+動詞の原形が来ます。


If this world were to end, my grandfather would never change his habit of thinking.
「この世の終わりが来ようとも、爺ちゃんは考え方を変えないだろう。」
(「この世の終わりなんて来ない。」と思っています。)

If we were to go to Hokkaido this weekend, we could enjoy skiing in Niseko.
「今週末に北海道へいけたら、ニセコでスキーするのになあ。」
(「今週末に北海道行へ行くことは無理。」と思っています。)

Suppose I were to tell his mother he was going to Africa, what would she say?
「彼のお母さんに『彼がアフリカに行くつもりだ』と話したら、彼女何て言うと思う?」
(後ろのwasは心理的な時制の一致。isにしてもよい。「話したくないが、でも話さなければならない。」といった可能性を含んでいる。)

※ Ifの代わりにsuppose, provided, as long as, in case, unlessなどが使われることもあります。

If the children were to go to the beach in Toyama, they would be happy.
「富山の海に行けるとしたら、子供たち喜ぶだろうな。」
(「たぶん出かけられない。」と思っている。)

 ※次の文は実現の可能性があることをほのめかしています。

If we were to take our children to the seaside resort in Fukui, we ought to reserve a hotel.
「子供たちを福井の海に連れていくなら、ホテルを予約しないと。」
(状況から考えて客観的な必要性を生じているため、shouldをought toに代えて使っています。) 

このwereを用いた文、Ifを省略した場合、以下のように倒置します。

If an asteroid were to hit the earth, all human beings would be extinct.
「もし小惑星が地球に衝突したら、人類は絶滅するだろう。」
(「当面の間、小惑星が地球に衝突するなんてことはないよ。」と思っている。)

Were an asteroid to hit the earth, all human beings would be extinct.


2. If+主語+should+動詞の原形のパターン

shouldを用いた文はwere to のそれよりも固い表現になります。

If his father should die, he would (will) be the last person to succeed to the monarchy.
「もし彼の父が死ねば彼がその王朝の最後の後継者となるだろう。」
(そうなる可能性も十分に考えられるので、wilもありです。)

If the culprit should show up here, I would call the police immediately.
「いやあ、もし、犯人がここに現れたら、すぐ警察に電話しますよ。」
(「犯人がここに来るわけないだろ。」と思っています。)

Even if we should lose the game, I would (will) resign as manager.
「万一その試合に負けることがあれば、私は監督を辞します。」
(「負けるわけがないだろう。」と思っている。もし、少し自信がなかったらwill)

このshouldの文も同様にIfを省略すると倒置します。

If you should win the lottery, do let us know.
「もし宝くじに当たったら、おしえておくれ。」
(「ひょっと当たるかも。」と思っています。なぜか後ろは命令文)

Should you win the lottery, do let us know.


※仮定法で倒置して文頭にくるのは Had, Should, Were の3つです。これも覚えておきましょう。

 

今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。

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