仮定法

「仮定法過去完了」は難しくない。過去のありえない話を取り上げる表現です。


仮定法過去完了 subjunctive past perfect

いかめしい名前ですがそれほど難しい文法単元ではありません。

仮定法は「条件節」(もし~だったら、~なら)と「帰結節」(~だったのに、~なのに)から構成されます。

この条件節の時制が直説法と比べると一つ過去にずれていて、


・過去の事を ⇒ 過去完了形(had+過去分詞)で表現します。

・現在の事を ⇒ 過去形で表現します。


これをそれぞれ「仮定法過去完了」、「仮定法過去」と呼びます。

今回は「仮定法過去完了」を取り上げます。

仮定法過去完了の条件節(If節)には「過去の事実に反していること」「今さらどうにもならないこと」が引き合いに出されます。

これを却下条件と言いますが、そんな文法用語のことはどうでもよく、
要するに条件節に「あり得ない話」を持ってくるということです。

これが仮定法を「非現実の話」、直説法を「現実の話」とする理由です。


仮定法過去完了には二つのパターンがあります。


1.「もし~だったら、あの時~だっただろう」


「If S had + 過去分詞~, S + 助動詞の過去形 + have + 過去分詞~」
(条件節には過去の事実に反する話、帰結節には過去の事実に反する話がきます。)

If I had studied harder in high school, I could have been accepted to Nagoya University.
「もし、高校時代にもっと一生懸命勉強していれば僕も名古屋大学に入学できたのになあ。」
(現実には一生懸命勉強しなかったし、入学もできていない。)


2.「もし~だったら、今~だっただろう」

「If S had + 過去分詞~, S + 助動詞の過去形 + 動詞の原形~」
(条件節には過去の事実に反する話、帰結節には現在の事実に反する話がきます。)

If I had studied harder in high school,  I would be an Osaka University student.
「もし、高校時代にもっと一生懸命勉強していれば今僕は大阪大学の学生なのになあ。」
(現実には一生懸命勉強しなかったし、今、大阪大学の学生でもない。)

※助動詞の過去形とは

could(~できたのに、~できるのに)

might(~かもしれなかったのに、~かもしれないのに)

would(~したのに、~するのに)

should(~したのに、~するのに)
以上の4つ。

wouldshould の違いは気持ちの強さ。should の方が強い。
・助動詞の過去形は全く過去を意味しません。
・過去の意味を表すには必ず後ろに have+過去分詞をつける。


つまり…

1.過去のあり得ない事を引き合いに出してどうにもならない過去の事を述べる。

過去の非現実 ⇒ 過去の非現実

2.過去のありえない事を引き合いに出してどうにもならない現在のことを述べる。

過去の非現実 ⇒ 現在の非現実

この二つを表現しているのが「仮定法過去完了」です。

ただ、仮定法のポイントは、実際の英文では条件節と帰結節が前後逆に置かれていたり、条件節が無く、帰結節だけで表現されている仮定法を「これは仮定法だ!」と見抜けるかどうかです。


これについては前記事「仮定法の見抜き方」仮定法の判別はこれをするだけでOKです。で詳しく説明していますので是非ご参照下さい。

 

それでは例文をご覧下さい。

If Matsuoka had been able to see through Stalin’s cunning foreign policy, he would not have signed the Japan-Soviet Neutrality Pact.
「もし松岡がスターリンの狡猾な外交方針を見抜いていたなら、日ソ中立条約など締結していなかったであろう。」

If Britain had been defeated by the Spanish Armada in 1588, there might not be a country called the Netherlands today.
「もし、英国が1588年、スペインの無敵艦隊に敗れていたら、今オランダという国はないかもしれない。」

If it hadn’t been the thunderstorm at Okehazama then, the history of Japan would have been different.
「あの時、桶狭間が雷雨でなかったら、日本の歴史が違うものになっていただろう。」

If I hadn’t met you that day, at that time, in that place, we would still be two strangers.
「あの日、あの時、あの場所で君に出会わなかったら、僕らは今でも見知らぬ二人のままだっただろう。」

If you had massaged me last night, I wouldn’t have such a bad stiff shoulder.
「夕べあなたがマッサージしてくれたら、こんなひどい肩こりになっていなかったのに。」



今回は以上です。

ご精読いただきありがとうございました。

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