副詞

【倒置表現】は入試に必出だ!絶対に覚えろ!【 never, only, scarcely, hardly, rarely, no sooner, seldom, little, at no time, only 】 「否定の副詞の後は倒置する。」なぜひっくり返ってSVがVSになるんだ?「言いたいことを先に持ってくる」この「英語の大原則」がその理由だ!

英語では普通、文は主語(S)+述語動詞(V)の順番で語が並びますが、時々これがV+Sとひっくり返ることがあります。

助動詞や動詞が主語の前に出てくるわけです。これを倒置(Inversionひっくり返り)と呼びます。

疑問文のように文法上そのような形になっているものもあります。
例えば、
Do you like English? これは皆さんご存知です。

でも、こうした疑問文でもないのにひっくり返っている時があります。
長文の途中にこれが出現して「この形は何?」と混乱する方も多いのではないでしょうか。


この倒置表現は文法的には上級の用法になると思いますが、よく理解すればそれほど難しいことではありません。今回はこの一つである「否定の副詞の後では文が倒置する」についての話です。



1. 否定の単語は原則として直後の言葉を否定する。

I don’t like Natto.「私は納豆が嫌い」は省略して書かなければ I do not like Natto.です。この文のなかで not という副詞は非常に重要な役割を果たしています。

ところでこの not は do あるいは like のどちらを否定しているのでしょうか?

短縮形では don’t ですから 一見すると do とくっついて do を否定しているように見えますが、実は like を否定しています。

否定語とその語によって否定される単語や句、節の間に他の言葉を挟まずに、そのすぐ近く、出来れば直後に置きたいというのがこの倒置が起きる心理です。



2. 否定語が文の最初に来ると必ずSVは倒置されてVSになる。

以下は代表的な否定の副詞、副詞句で、これが文頭に来るとその文は必ず倒置します。直後に来る語、句を否定したいという強調表現の一種です。


never 決して~ない

hardly ほとんど~ない

scarcely ほとんど~ない

rarely めったに~ない

no sooner ~するとすぐ

seldom めったに~ない

little ほとんど~ない

at no time 決して~ない(=never)

only ~しかない


ここで注意すべきはonlyです。only you を「あなただけ」と訳せば肯定語のように見えますが、本当は「あなたしかいない」という否定語です。

それでは例文を見てみましょう。
倒置しています。


Never have I seen such an attractive actress.
「あれほど魅力的な女優は見たことがない。」

Hardly had he gotten off the train when it began to snow.
「彼が列車から降りたとたん雪が降りだした。」

Scarcely had Joe gotten back to the office before his boss spoke to him.
「ジョーが事務所に戻ったとたんボスが話しかけてきた。」

Rarely has she been so moved by an anime.
「彼女がアニメでこれほど感動したことはめったにありませんでした。」

No sooner had the robber seen the police officers than he ran away.
「警官たちを見たとたんその強盗は逃げ出した。」

 Seldom would he greet his colleagues.
「彼はめったに彼の同僚たちに挨拶しなかった。」

Little did the local residents dream that such a disaster would happen.
「地元の住民はそのような災害が起ころうとは夢にも思わなかった。」

At no time must children be left alone.
「子供たちだけにしておくことは決してあってはならない。」

Only when it snows do they turn on the heating.
「雪が降った時しか彼らは暖房をつけない。」

どうでしょう? 後ろでSVがひっくり返ってVSになっていますね。


3. 否定の副詞句や副詞句も文頭に置かれると倒置する。


少し長めの否定の副詞句や副詞節も同様に文頭に置かれた場合は
そのうしろに倒置がおきます。
これもやはり一種の強調構文ということです。

例文です。

In no reason will the government allow you to land the island.
「いかなる理由があろうと政府はあなたがその島に上陸する事を許さない。」

Not until we lose our hair do we realize its value.
「髪の毛を失って初めてそのありがたさがわかる」

No other part of Japan is more kelp consumed in the northern Tohoku region.
「日本で東北の北部地域ほど昆布を食べるところはない。」


4. その他の注意すべき倒置が起こる単語

so, neither, nor が前にある文や節の内容を受けて文頭に来る場合も倒置が起きます。これも大学入試や英検などで頻出されるものなのでしっかり押さえておきましょう。


Taro spent the whole morning doing homework, and so did shinobu.
「太郎は午前中ずっと宿題をして過ごした。しのぶも同様だった。」

John couldn’t have enrolled in economics class, and neither have politics.
[ジョンは経済学のクラスに登録することができなかったし、政治学にもできなかった。」

I can’t forget him. Nor can I.
「彼のことが忘れられないの。」「わたしだってそうよ。」


以上、代表的な倒置表現について取り上げました。

勿論、この他にも倒置表現は沢山あります。
否定語でなくてもよくご存知の There is~や Here you are.  これもよく使う倒置表現です。

あるいは「条件節のIfを省略すると倒置する」といったことです。

いずれも「言いたいこと、重要なことはまず先に言う。」「言葉の関係性が近いほど出来るだけ近くに置く。」という英文の基本的な性格を念頭に置けば理解しやすいと思います。



今回は以上です。

ご精読いただきありがとうございました。

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