英文の中では「~なので~する」「~するために~する」といった、原因、理由、根拠、目的を表す副詞節が多用されています。
副詞節の先頭には接続詞がおかれる場合もありますし、名詞句がおかれる場合もあります。
この名詞句はセットで一つの接続詞の役割を果たしている考えればわかり易いと思います。
今回は英文に頻繁に登場する代表的なものを取り上げてみました。
1.否定文+because「~だからといって~ない」
2.now (that)「今や~だから」
3.seeing(that)「~だから」
4.so (that) S can(will/may)「Sが~するように、~するために」
5.in case ~「~するといけないから」
6.for fear (that) ~ should(might)「~を恐れて、~しないように」
7.lest「~しないように、~するといけないので」
以下、説明と例文です。合わせご覧下さい。
1.否定文+because「~だからといって~ない」
※原因、理由を表します。
※「~だから~ない」という意味もあります。どちらの意味かは文脈で判断します。
※原因、理由というより婉曲的な因果関係や根拠を述べている場合もあります。
※SV~, because+SV~という形の場合は because 以下を前の SV に被せるのではなくカンマで一旦切ってから because 以下を訳す、いわゆる「訳し流し」をしましょう。
※because の代わりに as, since が使われる場合がありますが、基本的に because の後には聞き手の知らない新しい情報が、as, since の後には聞き手がすでに知っている情報が原因、理由、根拠として使われます。
Don’t tease a transfer student just because he or she has an accent.
「転校生に訛りがあるからといってからかってはいけませんよ。」
Most foreigners don’t like konjac because it has a texture they have never experienced before.
「大抵の外国人がこんにゃくを嫌がるのは、今まで彼らが経験したことのない食感だからです。」
I will not change my policy, because there are many people who support my policy.
「私は自分の政策を曲げない。なぜなら私の政策を支持する沢山の人がいるからだ。」
2.now (that)「今や~だから」
※原因、理由を表しますが because のように直接的な理由ではなく、漠然とした状況、因果関係を表します。
Now that you are upperclassmen, you should take into consideration not only yourselves but also the younger students.
「上級生になったからには、自分のことだけでなく、後輩のことも考えて行動しなさい。」
3.seeing(that)「~だから」
※now(that) と同様に直接的な理由ではなく、漠然とした状況、因果関係を表します。
Let Tomoko borrow your toy for a while, seeing that she’s only a child.
「智子はまだ子供だから、しばらくの間、あなたのおもちゃを貸してあげなさい。」
4.so (that) S can(will/may)「Sが~するように、~するために」
※目的を表します。that は省略されことが多い。口語表現ではほとんど使われません。
※so that とくっついている場合、so that は「目的」を表し、前にカンマがおかれる[~, so that ~] の形は「結果」と教えられることが多いようですが、実は必ずしもそうではなく、どちらなのかは文脈で判断しましょう。
でも英文中に~, so (that)~ときたら、「~だ。その結果~だ」とまず考えましょう。文脈上、「何か変だ」と思ったら「目的」ではないかと考えればよろしいかと思います。
Entry visa screening for foreign researchers should be tightened so that we can prevent the diversion of advanced technology developed in Japan to military use.
「日本で開発された先端技術が軍事転用されないように、外国人研究者の入国ビザ審査を厳しくすべきだ。」
The government has sat by and taken no action against criticism that is not based on scientific evidence, so that the region has suffered economic losses due to malicious rumors.
「政府は科学的根拠に基づかない批判に対して何の対応も取らないで座視してきた。その結果、その地域は風評による経済的損失を被ってしまったのである。」
5.in case ~「~するといけないから」
※目的を表します。
※基本的には「良くない状況に備えて」という意味になりますからある意味での条件の副詞節になりますから後ろの文に不確実性を表す will を使ってはいけません。動詞の現在形かshould を使うのがルールです。
Take my butt-fur with you in case your butt gets wet sitting on the snow.
「雪の上に座ってお尻が濡れるといけないから、私の尻革を持って行きなさい。」
6.for fear (that) ~ should(might)「~を恐れて、~しないように」
※目的を表します。
※仮定法の表現です。that は省略してもOKです。
※後ろを否定文にしないように注意しましょう。
The Martians did not want to come out of the spaceship for fear that they should be infected by the Earth virus.
「火星人は、地球のウイルスに感染することを恐れて、宇宙船から出てこようとしなかった。」
7.lest「~しないように、~するといけないので」
※目的を表す接続詞です。後ろには完全文がきます。
※後ろの文は仮定法現在です。should もしくは動詞の原形をつかいます。
※後ろを否定文にしないように注意しましょう。
Lest the plutonium should fall into the hands of terrorists, we will escort the transport ship to Japan with our warships.
「プルトニウムがテロリストの手に渡らないように、日本への輸送船を我が国の軍艦で護衛しましょう。」
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。