「関係代名詞」を勉強していると必ず出てくる「制限用法」(限定用法)restrictive use と「非制限用法」non-restrictive use(継続用法)。
「制限用法」では主節にある先行詞は基本的に少し漠然としています。
その先行詞の内容を後ろの関係代名詞の節(形容詞節)で修飾して先行詞の内容を「絞り込んでいく」いくためにこう呼ばれます。
日本語訳するときは先行詞の後ろの関係代名詞節を訳してから、それを先行詞にかけていきます。
※ただし、関係代名詞の what は別です。what については別記事
関係代名詞の What は特殊。他の関係代名詞との違いについて。をご参照ください。
これに対して「非制限用法」は主節と関係詞節がカンマで区切られています。
先行詞に相当するものは主節の中にあり、固有名詞であったり、文全体であったり、名詞句、名詞節であったり、初めから絞り込まれている、つまり制限されている場合がほとんどです。
これを後ろの関係詞節で説明を加えていく。訳す場合は主節⇒関係詞節へと訳し流します。これが「非制限用法」(継続用法)と呼ばれる理由です。
「非制限用法」の特徴は以下のようなものです。
1.主節と関係詞節がカンマで区切られている。
※カンマで区切ることによって主節と関係節の時系列をハッキリさせてい る。「継続用法」と呼ばれる理由もここにある。
2.「先行詞」に該当するのは以下のもの
・固有名詞
・主節の文全体 ⇒ 関係代名詞の which か as で受ける。
・主節の中の名詞節、名詞句
・主節の中の漠然とした一部 ⇒ which で受ける。
3.使われる関係詞は who(whom), which, whose, as, when, where のみ。
4.関係詞 that, what, why, how は使われない。
5.「制限用法」と違い、関係詞は省略されない。必ずある。
6.主節に対する後ろの関係詞節の意味は以下のようなもの。
・連続。(and そして)出来事の連続
・理由、原因。(for, because) 主節の根拠
・逆説。主節の内容に反する。(but)
・主節の補足的説明。(それは~なのだが)
7.「非制限用法」では 前置詞 of が以下のような単語とセットでよく 使われる。
・ one, some, all, many, both, most, neither + of which(whom)
・ the + 形容詞最上級 + of which(whom)
以下、例文を見ていきましょう。
There were only a few students, who were able to finish that marathon.
「わずかな学生しかいなかったが、彼らはマラソンを完走した。」
(非制限用法。カンマあり。)
There were only a few students who were able to finish that marathon.
「そのマラソンを完走できた学生は数えるほどしかいない。」
(制限用法。カンマなし。)
He loved the book. which had beautiful illustrations of Kyoto.
「彼はその本が大好きだった。それには美しい京都の挿絵があった。」
My father, who is a principal, is in Gifu for training now.
「私の父は校長をしていますが今、研修で岐阜にいます。
Mr. Yoshida, whose wife is a famous pianist, is making a lot of money on YouTube.
「吉田さんね。彼の奥さんは有名なピアニストだけど、YouTubeで相当稼いでるよ。」
(前から後ろへそのまま訳し流します。)
I sent her an Email, to which she made no reply.
「私は彼女にメールを送りましたが、彼女からは何の返事もありませんでした。」
The museum has a vast collection, some of which are designated as national treasures.
「博物館には膨大なコレクションがあり、そのうちのいくつかは国宝に指定されています。」
Akiyama Saneyuki was born in 1868, when the Meiji period began.
「秋山真之は1868年に生まれました。その年、明治時代が始まった。」
He has two sons, neither of whom are married.
「彼には2人の息子がいますが、どちらも結婚していません。」
Taro was late again, as is usual with him.
「太郎がまた遅刻した。彼にはよくあることだけど」
He won the gold medal, which surprised us classmates.
「彼が金メダルを獲った。それは僕たち同級生を驚かした。」
Some students are overplaying video games, which has a negative impact on their eyesight.
「ある生徒はビデオゲームのやり過ぎだ。それが彼らの視力に悪影響を与えている。」
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。