関係副詞でも名詞節でも副詞節でもないもう一つの 接続詞 “when”について。
特別な when の使われ方の話です。
when という単語をここで少し整理してみたいと思います。
when という言葉は名詞としても(the whenその時)前置詞の目的語になる代名詞(since when その時から)としても、あるいは最初に習う疑問詞/疑問副詞(whenいつ?)はもちろんのこと、形容詞節をつくる関係副詞や名詞節、副詞節をつくる接続詞として、多彩な役割を英文の中で担っています。
これらについては弊ブログでも何度も取り上げてきました。
今回は前に置かれている名詞を when が導く形容詞節が修飾しているケースを紹介します。
この when を副詞節と勘違いすると間違った訳になるので注意が必要です。
「直前の名詞を修飾する形容詞節であれば、それは関係副詞の when ではないか?」と思ったりもしますが、関係副詞の when であれば接続詞 + 関係代名詞 which (in which, at which, on which)に置き換えられるはずという大前提がありますが、今回取り上げる when はこれに該当しません。
関係副詞が when であれば、先行詞は必ず「時」を表す名詞のはずですが、この when の場合はこれにも当てはまりません。
あくまで「直前の(時を表さない)名詞を修飾する形容詞節をつくる接続詞の “when” 」と考えましょう。
以下、例文と合わせて確認していきましょう。
1.名詞節をつくる when「いつ~か?」
No one knows when they met in Tokyo.
「いつ二人が東京で知り合ったのか誰も知らない。」
I wonder when Kamioka become known to people all over Japan as the” town of neutrinos? “
「神岡が「ニュートリノの町」として全国に知られるようになったのはいつ頃だろうか。」
(when 以下の名詞節が他動詞 wonder の目的語)
Could you tell me when I should visit Takayama for sightseeing in autumn leaves?
「高山に紅葉観光で出かけるにはいつがベストか教えてください。」
(when 以下の名詞節が他動詞 tell の直接目的語)
2.副詞節をつくる when「~する(した)時」
Her parents were beside themselves with joy when they heard the news that their daughter was alive in that country.
「彼女の両親は、娘があの国で生きているというニュースを聞いて、喜びで胸がいっぱいになった。」
(when 以下の副詞節が were にかかる)
Dad, please buy us some “Piyorin” when you go to Nagoya Station next week.
「お父さん、来週名古屋駅に行ったら、『ぴよりん』を買ってきてね。」
(when 以下の副詞節が buy にかかる)
3.関係副詞の when (先行詞を修飾する形容詞節をつくる)
The sixteenth and seventeenth centuries were a savage-atmosphere time when religious conflicts could easily lead to wars and massacres.
「16世紀、17世紀というのは宗教的な対立が容易に戦争や虐殺に至ってしまう殺伐とした時代であった。」
(when 以下は先行詞 a savage-atmosphere time にかかる関係副詞節)
It was in the days when foreigners were still rare in the town where I grew up.
「それは私が育った町ではまだ外国人が珍しい時代のことだった。」
(when 以下は先行詞 the days にかかる関係副詞節)
4.直前の名詞を修飾する形容詞節をつくる when
※今回のテーマです。
The jubilation of victory when the British fleet defeated the invincible Spanish Armada brought a kind of nationalism to English people.
「イギリス艦隊が無敵のスペイン艦隊を打ち破ったときの歓喜は、イギリス人に一種のナショナリズムをもたらした。」
( when 以下の形容詞節が名詞句 The jubilation of victory を修飾していますが、この名詞句は「時」を表していないため、when 以下は関係副詞節ではありません。)
We can easily imagine his parents’ grief when their son died in an accident.
「息子さんが事故で亡くなったときのご両親の深い悲しみは容易に想像できます。」
(grief は「時」を表す名詞ではありませんから「先行詞」となり得ず、when 以下も関係副詞節ではありません。)
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。