今回は仮定法未来 subjunctive future です。
「仮定法未来」も基本的には条件節(もし~なら)と帰結節(~だろう)から成ります。
前回と前々回の「仮定法過去完了」「仮定法過去」では条件節、帰結節ともに、あり得ない話、事実と異なる話が表現されていますが、仮定法未来では条件節「万が一、仮に~だったら」、未来において、帰結節「~だろう」というふうに「実現の可能性は低いけれどもあり得る」条件節と「起こりうる」帰結節で構成されます。
仮定法未来のパターンは2つです。
1.「万一~したら、~だろうに、だろう」
文の形は、
・If S should + 動詞の原形~, S would + 動詞の原形~(仮定法)
・If S should + 動詞の原形~, S will + 動詞の原形~(直説法)
※この条件節に should を用いた仮定法未来表現では帰結節に仮定法、直説法のいずれも使えるということです。
基本的に条件節では話し手は「まあ、ほとんどあり得ない、起こり得ないと思っているけど万が一でもあったら」(実現の可能性は低くても、実現不可能な仮定は使いません)から ⇒ 「こうするだろうに」(仮定法)、「こうするだろう」(直説法)という2つの帰結節への展開があるということです。
2.「仮に~したら、だったら、~だろう」
文の形は、
・If S were to + 動詞の原形~, S would + 動詞の原形~(仮定法)
※この文の場合、全く実現の可能性のない非現実の仮定から実現の可能性のある仮定まで幅の広い条件節が設定されます。そしてその場合「こうするだろう」(仮定法)という帰結節が展開されます。
「仮定法未来」という名称ですが、現在の仮定にも使われます。
それでは例文をご覧下さい。
If she should know I was lying, she would be furious.
「もし彼女が俺が嘘をついていたことを知ったら、きっと激怒するだろうな。」
(嘘がバレることはたぶんないだろうと思っている。)
If the two countries should start a war, Japan would join in.
「万が一、両国が開戦したら日本も参戦するだろう。」
If I should turn out to be wrong, I will handstand and walk through the streets.
「俺の言うことが間違っているとわかったら、街を逆立ちして歩いてやる。」
(そんなことはないとタカをくくっている。)
If we should lose this game, I will resign as manager.
「もしこの試合に負けることがあったら、私は監督を辞める。」
(負けることはないだろうと思っている。でもその時は辞めるという現実のあり得る話をしている。)
If this town were to be hit by a missile attack, the damage would be enormous.
「もしこの町がミサイル攻撃を受けたら、甚大な被害を被るだろう。」
(どちらの可能性もありうる)
If you were to go back to that time, which profession would you choose?
「もし、あの頃に帰れるなら、君はどっちの職業を選ぶ?」
(実現不可能な仮定)
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。