「第4文型 SVOO をつくる動詞-その5」 として、前置詞 [for] を使うタイプの動詞を紹介します。
この第4文型 SVOOで使われる動詞は「授与動詞」と呼ばれ、「に〜を渡す、伝える」という意味を持っている文型です。
SVOOのOOは目的語が2つ続く文型で、それは多くの場合「人、もの(事)」の順番になります。人以外が最初の目的語になる場合もあります。
しかしこの順番が「もの(事)、人」の形に順序が入れ替わると、第3文型のSVOに変化し、後ろに下がった名詞、代名詞の前には必ず前置詞の to, for あるいは of が置かれて、前置詞句の副詞に変化します。
これまで4回に分けて、第3文型に変わった場合に前置詞 to を要求する動詞(授与動詞)を紹介しました。
この[to]は動作や行為の「到達点」であり、動作や行為による利益、恩恵といったものが to が向かう人に到達している、届いていることを示しています。
しかし、 [for] は方向を示しているだけの前置詞であり、そこへの到達までを意味しません。
したがって for を要求するタイプの「授与動詞」はその「人」にそれが届いたのか、あるいは受け取ったかを明示していません。
この点が to を要求する「授与動詞」との違いです。
2回に分けて代表的な for を要求する「授与動詞」を取り上げます。
今回は以下の4つです。
cook(料理を作ってあげる)
get(手に入れてあげる、もたらす)
make(作ってあげる)
order(注文してあげる)
それでは例文を見てみましょう。
cook(料理を作ってあげる)
She cooked her son stir fried noodles.
「彼女は息子に焼きそばを作ってあげた。」
Since I had a fever, My mother cooked a rice porridge for me.
「私は熱があったので、母がお粥を作ってくれました。」
※それを実際に食べたかを明示していない。
get(手に入れてあげる、もたらす)
please get me a cup of soup.
「私にスープを一杯持ってきてください。」
Such a response to this scandal will get reproach for our company.
「今回の不祥事に対するそのような対応は当社に非難をもたらすことになるだろう。」
※実際に手に入れたのか、もたらしたかは明示していない。
make(作ってあげる)
My mother made me a birthday cake.
「母は私に誕生ケーキを作ってくれた。」
She made me sandwiches for me.
「彼女は私にサンドイッチを作ってくれた。」
※それが私に「到達したのか」つまり食べたかどうかを明示していない。
order(注文してあげる)
My father ordered me a new car.
「父は僕に新車を注文してくれた。」
He ordered a dry martini for me.
「彼は私にドライマティーニを注文してくれた。」
※私に届いたかどうかは明示していない。
このように to と for の違いは実は奥が深いのです。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。