前置詞

間違っている人が多いぞ!「~以上」「~以下」は【more than, less than】ではないぞ!【over, under】でもない?本当に間違いが多いこの表現はこれを読んで確認しろ!


英文中にもよく登場し、街の英語表記でもよく見かける「以上」「以下」という表現、よく読んでみると日本語訳を間違っていたり、外国人向けの英語が間違っているというのをよく見かけます。


たとえば、日本語で「50以上」「50以下」であれば50を含んでいるのはよくご存知のはずです。

また、「~未満」であればその数字を含まないことも当然承知しているはずです。

しかし、英語でこれを表現するとなると、無造作に[more than]や[less than]あるいはoverやunderを使っていることが非常に多いのですが、これは正確に言えば「以上」でも「以下」でもありません。

普段はあまり気にとめず使っていても「小学生以下は入場できません」とか「身長120cm未満のお子さんはお乗りになれません」などとその意味が厳密に適用される場合もあります。

あらためて、英語での「~以上」「~以下」「~を上回る」「~未満」の表現について確認したいと思います。



以下例文と合わせてご覧下さい。

1.「~以上」 

○○or more
○○or over
○○or above                       

※moreは数や量に、over, aboveは年齢や温度差、速度に使うことが多い。


You need the recommendation of two or more professors to get a job at the university.

「その大学に就職するには教授二人以上の推薦が必要だ。」

In Japan, the voting rights are given to those who are 18 years old or over.
「日本では18歳以上に選挙権が与えられている。」

This heater is not recommended for use in high altitudes 1000 meters or above.
「このヒーターは1000メートル以上の高地での使用を推奨していません。」


2.「~以下」 


○○or less
○○or under
○○or below                       

※lessは数や量に、under, belowは年齢や温度差、速度などに使うことが多い。


No fee is charged for exchanging quantities of 50 or less.

「数量50以下の両替には手数料が掛かりません。」

Admission is free for high school students or under.
「高校生以下の方は入場無料です。」

This car has poor fuel economy when driven at 60 km/h or below.
「この車は時速60キロ以下で走ると燃費が悪くなる。」


3.「~を超える、上回る」 

more than○○
exceed○○                      

※more thanは年齢制限、料金設定にexceedは入場制限などに使われることが多い。


Group discounts are available for groups of more than 29 people.
「29名を上回るグループには団体割引が適用されます。」

Admission will be restricted if the number of visitors in the facility exceeds 200.
「施設内の入館者が200人を越えた場合は入場制限が行われます。」


4.「~未満」 


less than○○
under○○
below○○                      

※less thanは数、量に、under, belowは年齢、温度、速度などに使われることが多い。


Our business will be in the red if sales are less than 1 million yen per day.
「売り上げが1日に100万円未満だと赤字になる。」

You must have the consent of a parent or guardian if you are under 20 years of age.
「20歳未満の方は保護者の同意が必要です。」

This adhesive freezes and cannot be used in environments where the temperature is below -5 degrees Celsius.
「この接着剤は凍結するので、-5℃未満の環境では使用できません。」


5.「~以内」 

within○○

※人や物の数、量にあまり使われない。主に時間や期間、距離などに使われる。

Interview results are notified by mail within one week.
「面接の結果は、1週間以内に郵送でお知らせします。」

Transportation expenses are not paid if the commuting distance is within 4 km round trip.
「通勤距離が往復4km以内の場合、交通費は支給されません。」



今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。

関連記事
比較

入試に必ず出てくるぞ!比較表現は英文法の最難関だ!【 the more~, the more, all the better, none the less】しっかり覚えてこの山を乗り越えろ!【 junior to, senior to, superior to, inferior to, prior to 】といったラテン語由来の than を使わない表現も確認!ぜひ身につけたい比較級を使った表現(その1)

英語に再挑戦
比較表現は少し難しい。 気合を入れて取り組みたい文法単元です。 今回は、ぜひ覚えておきたい比較級を使った表現。 形容詞の比 …
単語・イディオム

”a-" で始まる形容詞に注意しろ!「叙述用法」でしか使われない【 afraid, alive, afloat, alike, aware, ashamed, averse, alone, awake, asleep 】 「限定用法」でしか使われない【elder, latter, upper, inner, outer, utmost 】 は特別な形容詞だ!そして同じ単語なのに「限定用法」と「叙述用法」で意味が異なる【 fond, ill, certain, late 】にも気を付けろ!

英語に再挑戦
形容詞の英文中の仕事は「名詞を修飾する」(限定用法)と「補語になる」(叙述用法)の2つです。 今回はその形容詞の中でも特殊な使われ方を …
比較

これは入試に必ず出るから曖昧にしておくな!【 no more than と no less than 】【 not more than と not less than 】比較表現の定番問題だ!話し手の期待感とがっかり感を表現しているぞ!その意味の違いがこれでハッキリ分かるはずだ!

英語に再挑戦
比較表現は英文法の中で最も難しい項目だと思います。 例えば長文中に分詞構文や関係詞、倒置の表現が出て来ても何となく読めてしまうことがあ …
前置詞

これは入試に絶対出る!【 say, speak, talk, tell 】この基本的な4つの「話す」動詞。知ってるつもりでも実はほとんどの人が作文で正しく使えないんだ!ここで使い方をしっかり覚えろ!

英語に再挑戦
よく知っている単語でも、その意味や使い方を改めて訊かれると意外によくわからないことが多いものです。 今回はその代表の一つ、「話す」とい …
前置詞

試験に出るから確実に覚えておけ!【 answer, marry, resemble, attend, approach, reach, discuss, consider 】間違えるなよ!直後には名詞が来るぞ!つい後ろに前置詞を置きたくなる代表的な他動詞8選だ!

英語に再挑戦
英文中に動詞が出てきた場合、それが「自動詞」なのか「他動詞」なのかを意識しましょう。 他動詞は後ろに目的語がある動詞、自動詞は目的語が …
単語・イディオム

みんな軍事用語を知らなさすぎ!【 major, sergeant, captain, private, regiment, company, division, private, platoon, squad, infantry, artillery, medic, logistics 】日常会話でも普通に使われるぞ! ぜひ知っておきたいミリタリー英語だ!こんなことは世界の常識なのに日本人は知らなさすぎだ!

英語に再挑戦
今回は知っているようであまり知られていない、そして分かっているようで分かる人が少ないミリタリー関連の言葉を紹介します。ただし、あくまで基礎的 …