以前の記事でも繰り返し述べてきていることですが、
仮定法の表現には条件節(If節)が必ずあるわけではありません。
実際には条件節が無い方が多いのです。
このため非現実の話をしていることを見抜けないことが多いわけです。
以下、仮定法を見抜くためのおさらいです。
まず、助動詞の過去形を見つけたら、
1.前後に動詞の過去形がないか探す。
近くに動詞の過去形があったら、それは仮定法ではありません。直説法です。
その助動詞の過去形は「時制の一致」で形を過去形にして合わせているだけで意味は過去ではありません。
「すべきだった」「できた」などと訳してはいけなません。
2.それは助動詞を過去形にすることで、「丁寧な表現」「推量の強さ、動詞に被せる気持ちの強さを弱めている。」表現です。これも仮定法です。
3.それは主語や、副詞(otherwise)、副詞句(前置詞句、分詞構文など)の中に仮定条件が隠れている仮定法です。
それでは例文を見ていきましょう。
Would it be possible for you to show me those pictures?
「その写真を見せていただくことは可能でしょうか?」
(とても丁寧な依頼。これも仮定法です。)
He’s not Japanese. A true Japanese would know how to do Janken.
「彼は日本人じゃない。本当の日本人ならジャンケンのやり方を知っているはずだ。」([ A true Japanese ]が仮定条件)
Born in another country, this family would not have had to suffer such a tragedy.
「他の国に生まれていれば、この家族がこのような悲劇に見舞われることはなかっただろう。」
([Born in another country,]この分詞構文が仮定条件)
Black Jack could have succeeded in this surgical operation.
「ブラックジャックだったらこの外科手術に成功しただろう。」
(主語[ Black Jack ]が仮定条件)
With three more cannons, we could win the fortress.
「あと3門の大砲があれば、あの城を攻め落とせるのだが。」
(前置詞句[ With three more cannons ]が仮定条件)
Nobody else could have come up with such a ridiculous plan.
「君以外に誰もこんな馬鹿げたプランを思いつかないよ。」
(主語[ Nobody else ]が仮定条件)
I was tired to death today, otherwise I would have definitely defeated Nobita.
「俺様は今日死ぬほどで疲れてたんだ、そうじゃなかったらのび太をぎったぎったにしてやったぜ。」
(副詞[ otherwise ]が仮定条件)
これで「隠れ仮定法」を見抜けるはずです。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。