英語において品詞の理解は非常に大事です。
品詞を判別し、他の語、句、節との関係性を知ることなしに英語を理解することはできません。
とりわけ名詞、形容詞、副詞の判別は重要です。
今回は名詞、形容詞に続いて副詞に焦点を当て、その要点を解説します。
英語において副詞が果たす役割は次の2つだけです。
1.動詞、形容詞、副詞を修飾する。
2.文(sentence) 全体を修飾する。
つまり、「名詞の修飾は形容詞に任せて、それ以外は副詞が修飾する。」このように覚えてしまいましょう。
それではどのような単語、かたまりが副詞として機能しているのでしょうか?
それは以下の5つです。
1.当然ですが、単語の副詞
2. to不定詞(副詞的用法)
3.前置詞句(前置詞+名詞のセット)
4.副詞節(時、条件、理由、譲歩、様態を表す副詞節は主節の動詞を修飾します。)
以上の4つです。
副詞は文の要素(SVOC)ではありませんが、M(修飾語modifier)として重要な役割を果たしています。
文の要素でない分、置かれる場所が名詞や形容詞と違い、かなり自由です。
また、特に関係詞の単元で使われる「完全文、不完全文」とは文の要素であるS、O、C のいずれかが欠けている文を指す言葉であり、副詞、副詞句、副詞節のある、なしはこれと関係ありません。
それでは例文を見ていきましょう。
When he was introduced as having passed the elite university, he proudly looked around the class.
「難関大学に合格したと紹介されると、彼は誇らしげにクラスを見渡した。」
※副詞 proudly の位置は比較的に自由。looked の後ろでも良く、文末でも良い。
I went to the library to borrow the book.
「私はその本を借りるために図書館に行きました。」
※[to the library](前置詞句)と[to borrow](to不定詞)は共に副詞句。
The math problem was so difficult that only two students in the class could answer it correctly.
「その数学の問題は、クラスの中で2人しか正解できないほど難しいものでした。」
※that 以下の副詞節は形容詞 difficult を修飾し、その程度を説明する副詞節。
If I hadn’t met you at that place at that time, we would still be two strangers.
「あの時、あの場所で君に会わなかったら、僕らは今でも見知らぬ二人のまま。」
※If 以下の仮定法の条件節[If I hadn’t met you at that place at that time,]は後ろの帰結節の[would still be]にかかる副詞節。
※主文の前にカンマでくくられた句、節があったら、それは[副詞のカタマリ]と見分けることも大切です。
She didn’t attract my attention because she was a type of woman you often see around town.
「彼女は町でよく見るタイプの女性だったので僕の気を惹かなかった。」※接続詞の because 以下の[because she was the type of woman you often see around town]が副詞節として[didn’t attract]を修飾。
I may be a romanticist who wants to listen to Chopin when it rains.
「雨の日にショパンを聴きたくなる僕はロマンチストかもしれませんね。」
※時を表す副詞節[when it rains]が動詞[wants]にかかっています。
副詞は5文型の中で文の要素として仲間に入れてもらえないちょっと悲しい存在ですが、文の要素、SVOCを骨格とするなら、副詞は血や肉となる重要な存在ともいえます。
副詞の役割は英語の中で非常に大きく、英文を正確に理解するためにしっかり見分けることが出来るようになりたいですね。
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。