弊ブログでもこれまで「複合関係代名詞」や「複合関係副詞」を扱った記事で、「~だけれども」「~であろうと」「~しようと」といった『譲歩』を表す副詞節のことを取り上げてきました。
今回はこの『譲歩』を表す副詞節をつくる代表的な接続詞やイディオムについてまとめてみました。
長文を読む上で必要な知識ですから、ぜひチェックしておきましょう。
1.though(although)「~だけれども」
2.whether「たとえ~だとしても」
3.while/whereas「~なのに」「だが一方では」
4.even if「たとえ~だとしても」
5.even though「たとえ~だろうとも」
6.as「~だけれども」=though
7.whatever(no matter what)「何を~しようと」
8.when「~なのに」「~とはいえ」
以下、例文と合わせてご覧下さい。
1.though(although)「~だけれども」
※although は thoughより固い表現。文語的です。
※though は文中や文末でカンマで区切って使われると、接続副詞「しかしながら」(=however)の意味になります。
Though Tomoko is not good at studies or sports, she’s charming and popular in class.
「朋子は勉強やスポーツは得意じゃないんだけど、愛嬌があってクラスでは人気者。」
I didn’t want to marry him; I did, though.
「私は彼と結婚したくなかったが、でも結婚した。」
2.whether「たとえ~だとしても」
※whetherが名詞節をつくる場合は「~かどうか」という意味になります。
※副詞節が名詞節かは文脈で判断します。
Whether some members of the opposition party criticize it vehemently, We must get this bill passed by the Diet to protect the safety of the people.
「野党から猛烈な批判があろうと、国民の安全を守るためには、この法案を国会で成立させなければならない。」
3.while/whereas「~なのに」「だが一方では」
※「~なのに」は『譲歩』の副詞節をつくる「従位接続詞的」な用法です。
※「だが一方では」は前文を否定せずに『対照』的に述べる「等位接続詞的」な用法です。
※「従位接続詞」は後ろを訳してから前にかける。「等位接続詞」は前から後ろへ順番通りに訳していく。と考えればわかりやすいでしょう。
(従位接続詞 subordinate conjunction)
(等位接続詞 coordinate conjunction)
While he is in favor of promoting carbon neutrality, he is against nuclear power on the other hand. I wonder how he will be able to come up with effective policies to meet the huge electric power needed for widespread use of electric vehicles.
「彼はカーボンニュートラルの推進には賛成だが、一方で原子力発電には反対している。電気自動車の普及に必要な膨大な電力に対応するために、どのような政策を打ち出すことができるのだろうか。」
Ruling party has many patriots, while the opposition has few.
「与党には愛国者が多いが、野党には少ない。」
(全文を否定せず、後ろの文を対照的に述べている。)
4.even if「たとえ~だとしても」
※even if の後には大体「仮定」の意味の文がきます。
Even if I can’t find a job, let’s live together in New York after we get married.
「たとえ僕の就職先が決まらないとしても、結婚した後はニューヨークで一緒に暮らそう。」
5.even though「たとえ~だろうとも」
※even though の後には「事実」の文がきます。
Even though I lost my family, I have no choice but to do my best to live.
「たとえ家族を失っても私は懸命に生きていくしかないんです。」
6.as「~だけれども」=though
※though と同じ意味ですが、as の前には補語的な意味の形容詞か名詞がおかれます。名詞も形容詞の意味合いで使われているので冠詞がつきません。
Still light as it was, we went out to watch the Sendai Tanabata fireworks display at the Kawauchi campus.
「まだ明るかったが、僕たちは川内キャンパスで開催される仙台七夕花火大会を見に出かけた。」
Old man as my father is, he is energetic and thoughtful.
「私の父は年老いていますが、元気で思慮深い人です。」
7.whatever(no matter what)「何を~しようと」
※「譲歩」の副詞節をつくる場合は no matter what に置き換えることが出来ます。
※「強調」の名詞節をつくるときは anything what で置き換えOK。
詳しくは前記事のwhatever, whichever, whosever 「複合関係形容詞」名詞と一緒になって主語、目的語、補語になります。・をご参照ください。
※whatever 節が副詞節なのか名詞節なのかは形が同じ(不完全文)なので文脈で判断するしかありません。
Whatever you choose to do in the future, it is your choice, and we will always be there to support you.
「将来君がどんな進路を選ぼうとも、それは君が選んだ道だから私たちはずっとサポートするよ。」
8.when「~なのに」「~とはいえ」
※当然「時」を表す表現で使われます。
The cherry blossoms at Hida Gokoku Shrine have already bloomed, when It’s only the first day of April.
「飛騨護国神社の桜がもう咲いたよ。まだ4月の1日なのに」
My father told the clerk at the store that he was 50, when he was 60.
「父はその店の店員に、60歳なのに50歳だと言っていた。」
今回は以上です。
ご精読いただきありがとうございました。